時代は「異能」を求めている。
自ら行動し、目で見て、手で触れ、失敗から学ぶ。
つかみとった感覚が、世界に通用する武器になる。
UCLA、東京大学、東海大学で教鞭をとり、
福島原発「国会事故調」委員長を務めるなど、
日本の学術・科学技術振興に精通する著者による渾身の提言!
グルーバル化が加速する現代社会では、課題が複雑化・多様化し、旧来の知識では太刀打ちできなくなっている。
さまざまな難題に対処する力を身につけるため、世界の主要大学では学生たちに知識を記憶させるのではなく、問題を見つけて「なぜ?」と根源的な問いを繰り返して考えさせる教育を行っている。さらに、議論しながら解決していくプロセスの中で、個々の学生の能力を引き出し発揮させる指導を行い、世界で活躍する人材を育成している。
一方、日本の大学は「家元制度」に近く、教授の命令に従いながら後を継ぐタテ型体制だ。若手研究者たちは教授の手足のようになって論文を執筆し、大学に所属したまま留学することはあっても、組織の看板を背負わず「独立した個人」として広い世界に出ていき他流試合をすることはない。
グローバル社会において、科学研究の競争で何より求められているのは新たなアイデアやイノベーションだ。従来型の知識・技術の伝承を中心とした日本の大学教育はもはや時代遅れで、タテ組織を基本とする社会そのものに問題がある。
長年、「日本は知の鎖国状態にある」と指摘してきた著者が、高等教育システムの刷新、早急な研究者養成の政策推進、そして後進への実践的な提言を縦横無尽に語り尽くす。
【本書の内容】
世界の一流大学は「個人」をフェアに評価する
なぜ欧米のリーダーは科学技術に関心が高いのか
科学技術行政の貧困さが日本の競争力を低下させた
研究者の未来像を描けない日本のポスドク・システム
大学教授の責務は次世代を担う若手研究者の育成
イノベーションの達成を奪う日本の人材流動性の低さ
研究開発のため企業と大学はヨコに連携せよ
健康大国日本モデルを世界に示すときが来た
単線路線をひた走り、国を衰退させる日本型エリートたち
日本は変われなかった言い訳をいつまでし続けるのか
若者の政治参加が国を発展させ、社会を変える
ほか