成功の原石「赤いダイヤ」をめぐって加速する開発競争。すい上げられる10億人分の個人データ。 民間の熾烈な技術競争に、さらに国家が手を伸ばす――ダイナミックな中国の動きを、丹念な現地取材によって描くノンフィクション。
中国は欧米や日本など先進国とは異なる独自のコロナ対策で大きな成果をあげることに成功した。
しかし、情報を積極的に公表しない「秘密主義」の体質もあり、実際に何が行われているのか目にすることは難しい。
コロナ対策だけではない。「中国製造2025」の下、中国経済は一体、どこに向かおうとしているのか。
その実態を探るには、「赤いダイヤ」の発掘現場を探るのが一番の早道だ。
ハイテク開発の最前線、官民協力の実態、次々と生まれるベンチャーの素顔、そして強権的な中国政府の姿。
4年半にわたって中国国内を訪ね歩き、異形の経済大国の素顔に迫った。
目次
序章 「新型コロナウイルス」