日本の本当の「実力」は、日本人が聞き及んでいるよりもはるかに高い。しかしその力の発揮は、誤った思考法による誤った認識で妨げられているのだ。(本文より)
「日本はジリ貧」「国際競争力は地に落ちた」――根拠なき絶望感に囚われず、危機の時代をどう乗り越えるか? 毎日新聞コラム『時代の風』欄への9年分の連載に新たに解説を加え再編集。安倍政権から現在までの、日本と世界をファクト・ベースで徹底検証する。『デフレの正体』『里山資本主義』のエコノミストによる渾身の提言!
〈本書の内容〉
第1章 経済 アベノミクスから超円安に至る失政に角を立てる
第2章 政治 "政局"ではなく"政策"を愚直に論じ続ける
第3章 国際関係 ガラパゴス的な排外主義を脱し、生の現実に対処する
第4章 社会 歪んだ世相の根底にある、個人の観念の歪みを掘り起こす
第5章 思考法 共有される虚構の世界から解脱する
藻谷浩介(もたに・こうすけ)
1964年山口県生れ。地域エコノミスト。東京大学法学部卒業。日本総合研究所主席研究員。平成大合併前の約3200市町村のすべて、世界136カ国を自腹で巡り、地域特性を多面的に把握し、地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行っている。『デフレの正体』、『里山資本主義』、『完本 しなやかな日本列島のつくりかた』、『世界まちかど地政学』、『経済成長なき幸福国家論』(平田オリザ氏との共著)、『日本の進む道』(養老孟司氏との共著)など著書多数。