サンデー毎日

対談
イチオシ
2018年12月30日号
山内惠介 歌手
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阿木燿子の艶もたけなわ/233

甘いマスク、こぶしのきいた歌声。"演歌界の貴公子"と呼ばれる人気演歌歌手、山内惠介さん。今年は明治座で初座長公演をこなし、大みそかのNHK紅白歌合戦にも4年連続出場が決定。まさに、今ノリにノッている歌手の一人。しかし、その端正な顔立ち、柔らかな物腰とは裏腹に、骨っぽく男らしい一面も持ち合わせていました。

◇「子守歌って何?」と聞かれたら、童謡じゃなく、ひばりさんの演歌だった。

◇水森先生にしてみれば、よくぞここまで育ってくれたな、と思っていらっしゃるのでは?

◇いえ、先生からは「お前は全然、歌えてない」と言われていて(笑)。

阿木 決まっていらっしゃいますね。

山内 今日は、阿木さんにお目にかかるので決めてきました(笑)。

阿木 日本人でタキシードが似合う人は少ないですが、とてもスマートでいらっしゃるから。

山内 元々の体質もあると思うんですけど。

阿木 羨ましい体質(笑)。雑誌などで、究極の貴公子と書かれていますが。

山内 そう言って頂くのは恐れ多いですが、少しずつ自分をそれに寄せられればと思っています。

阿木 やはり頑張って、お肌のケアとかもなさっていらっしゃるの?

山内 基本的にそういうのも嫌いではありません。

阿木 男性って、面倒くさがり屋さんが多いでしょう。

山内 ご主人様も?

阿木 何もやらない。もう本当に放っておくと、石鹸(せっけん)で顔を洗ってたりして。

山内 僕は子供時代から結構、関心があって、化粧水とか乳液とかを早い時期からつけていました。

阿木 主人は石鹸で顔を洗って、雑巾で拭いていたり。

山内 え! 雑巾?(笑)。

阿木 ある日、私が主人の洗面所のタオルをかけ忘れていたら、雑巾でごしごしと(笑)。山内さんはご自分で、お料理もなさるんですよね。

山内 東京に居る時は作ります。朝、僕は必ずお風呂に入るんですが、その前に炊飯器のスイッチを押すんです。それで風呂から出てきた時には、もう炊きたてのご飯ができているので、卵とか納豆とか、おかずは簡単なもので済ませますが、その他にも、自分でトマトジュースを作ったりします。

阿木 缶じゃなくて、ちゃんと作るんですか?

山内 そうですね。時間がある時はトマトを切って、ジューサーに入れてそれを飲んで、卵かけご飯と、あと緑茶を飲みます。

阿木 健康志向ですね。

山内 30歳の時に、何の経験もないままに、舞台の主役をやらせて頂いたんです。空腹のまま稽古(けいこ)に行ったら、皆さんに迷惑がかかるので、朝食をちゃんと食べるようになったんです。そうすると科白(せりふ)の入りも良くなるし、他にも人間関係のコミュニケーションとかが、変わってきたように思います。

阿木 朝食の自炊で随分、いろいろな効果がありましたね。お芝居をやったことで、歌に表現力がついたのでは?

山内 おっしゃる通りで。お芝居をやった時は、すごく落ち込みましたし、何でこんなにできないんだろうと思いました。題材は「曽根崎心中」だったんですが、「恋の手本」を劇中歌として歌わせてもらいました。

阿木 近松門左衛門の「曽根崎心中」の中に、恋の手本という言葉がありますが、それが基になっているんですね。

山内 そうなんです。その歌が流れる時に、お初さんを......。

阿木 刺さなきゃいけない。

山内 刺して自分も死ぬという、詞なんです。

阿木 自分が死ぬシーンというのは、どんな感じですか?

山内 心中の場面は、お芝居だと2時間半かかるのに、歌は3分間のドラマになるんだな、と実感できました。

阿木 山内さんはとくに演歌がお好きだということ、私達の世代なら分かりますが、その若さでということは、お母様の影響?

山内 そうです。

阿木 お母様は、美空ひばりさんがお好きだったんですよね。

山内 大ファンでしたね。

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