牧太郎の青い空白い雲/942
手足のリハビリをした翌朝、肩こり治療薬「アンメルツ」の厄介になっている。腰の骨のあたりに「ちょっとした筋肉痛」を感じて......。そこに「アンメルツ」を塗るとスッキリする。
小林製薬が「アンメルツ」を売り出したのは、僕が毎日新聞社に入社した前年の1966年。「夜討ち朝駆け」の取材で、刑事さんの家の前に数時間立ちっぱなし。脚がコチコチになって「アンメルツ」の力を借りた。だから、半世紀を超える「付き合い」である。
小林製薬は創業者の小林忠兵衛が1886(明治19)年、名古屋市で「小林盛大堂」という雑貨・化粧品・洋酒の店を開いたのが始まり。2年後に薬も扱うが、代々「生活必需品的新薬」が得意。1969年に発売した水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」は爆発的な売り上げで、ギネス世界記録に認定されたこともある。
「〝あったらいいな〟をカタチにする」というのが謳(うた)い文句。身近な製薬会社である。その小林製薬が2021年「紅麹(べにこうじ)由来成分を機能性関与成分とした、LDL(悪玉)コレステロールを下げる機能性表示食品」を発売した。
恥ずかしながら「紅麹」を知らなかった。米を紅麹菌で発酵させたものを「紅麹」と呼び、古くから中国、台湾、沖縄では紅酒や豆腐などの材料に利用。調べてみると、大昔(1329年)の『日用本草』という文献に「血行を良くする食材」として紹介され、昔から「薬効がある」とされた「カビ」をサプリメントにするアイデア。小林製薬らしい。だが......。マスコミで大々的に報じられ、ご存じのように「紅麹コレステヘルプ」などのサプリを摂取した人に腎臓の病気が発症した。はっきりした因果関係は不明だが、腎臓疾患で死亡した人は5人(4月1日現在)。
「小林製薬愛好者」にとっては、まるで倅(せがれ)が違法薬物を隠していて警察に捕まったような気分である。
徹底的な調査が必要だが......。ちょっと待てよ!「紅麹」よりも早く徹底調査が必要な「危ないクスリ」も放置されている。「新型コロナワクチン」だ。
ここ数年、このワクチンには数々の後遺症が指摘され、接種後に亡くなった人もいる。厚生労働省が「ワクチン接種との因果関係が否定できない」として、死亡一時金などを支給しているが、その数(当方が知る限り)156人。その「薬害」を『サンデー毎日』や月刊『文藝春秋』などがリポートしているが、なぜか新聞・テレビはあまり報道しない。なぜか。まさか、お上の「言いなり」になっているのか?
接種後に脳梗塞(こうそく)や呼吸不全、気管支ぜんそくなどで亡くなったケースを勉強して当方、昨年秋にワクチンの接種をやめた。「紅麹」もそうだが、徹底調査は「新型コロナワクチン」でもやるべきだ!