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2021年4月 4日号
スポーツ 鶴竜、白鵬また休場の春場所 「現役」望むも横審どうする!?
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 もう驚くべき「異常事態」とは呼べない。ファンには「またか......」という諦めが広がる。横綱が5場所連続で不在となっては無理もない。

 3月14日に東京・両国国技館で初日を迎えた大相撲春場所は、鶴竜(35)=陸奥部屋=が場所前の稽古(けいこ)で左太ももの肉離れを負って初日から、白鵬(36)=宮城野部屋=は2連勝後の3日目から右膝の故障で休場した。両横綱は昨年5場所のうち4場所を休場し、11月場所後に横綱審議委員会(横審)から史上初めて「注意」を決議されていた。これで今年に入っても2場所連続休場となり、厳しい立場に立たされることになる。

 両横綱に対しては春場所後、横審から最も厳しい「引退勧告」が決議される可能性もある。一方、2人はそろって「次の場所に進退をかけたい」としている。ただ、こう休場続きでは年齢的な衰えが目立つと言わざるを得ない。特に白鵬の右膝は深刻で、日本相撲協会に提出した診断書は「右膝蓋大腿(しつがいだいたい)関節軟骨損傷、関節水腫で手術加療を要する。術後、約2カ月のリハビリテーション加療を要する見込み」という内容。早期に手術を受けても5月の夏場所には間に合わず、次の出場は7月の名古屋場所となる見込みだ。まず、今場所後に横審が現役続行を認めるかどうかが注目だ。

 関係者の中でも厳しい見解が目立つ。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「横綱の立場は大関とは違うのをどう認識するか。別格の力を持っているから称号がある。ギリギリの線ではダメ」。横審の山内昌之委員(東大名誉教授)も「次の場所を休むことを前提にその次の場所に出る、と勝手に公言できるものではない」と苦言を呈している。

 力量差が少なく「場所替わり」で優勝者が出る混戦も面白い。ただ、横綱土俵入りのない本場所も寂しい。既に日本国籍を取得している両横綱。将来を考えれば引き際も大事だろう。

(水木圭)

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