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2019年12月29日号
令和初年お騒がせの面々「シュレッダー」には早すぎる!貴乃花・初告白「参院選の出馬打診あった」
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内閣府は「桜を見る会」の招待者名簿をシュレッダーで廃棄―。隠蔽したとすれば由々しき問題だ。それ以外にも、令和初年中、多くの国民が眉をひそめたできごとはあった。騒動の主役たちはその後、何をしているのか。シュレッダーにかけるにはまだ早いゾ!

「平成の大横綱」は12月8日、埼玉県川口市にいた。昨年10月に親方としても日本相撲協会を退職した第65代横綱・貴乃花の花田光司氏(47)だ。市の公開講座に講師として招かれ、「土俵の心〜世界とつなぐ〜」と題し、約1時間の講演を行った。定員約600人は抽選になったという。
現役時代と変わらぬ人気者が放っておかれるわけがない。目を付けていたのは政界だ。特に、今年7月の参院選をめぐっては出馬が何度も取り沙汰された。「自民党は誘いましたが断られたそうです」(政治記者)との証言もある。
花田氏は昨年10月1日付で相撲協会に退職が認められた。すると、同4日には、自民党の馳浩(はせひろし)・元文部科学相と面会した。「馳先生には以前からお世話になっており『引退しました』という報告でした」と出馬の可能性を否定した。
また、今年5月19日には、東京都内のホテルで記者会見を開き、青少年の育成や相撲の国内外への普及を目的とした「一般社団法人貴乃花道場」を設立したと発表。参院選への出馬の意思を問う質問は4回に上ったが、打診があったことさえも認めなかった。
最近の国会は「桜を見る会」などをめぐり混迷し、安倍晋三首相が衆院解散を「ちゅうちょはない」と発言するなどきな臭い。花田氏は動くのだろうか。川口市の講演会後に直撃した。参院選での自民党からの出馬打診はあったのか――。
「正式に党からというよりも、後援者を通じたりして、『どうなんだ』という感じで(あった)」
あっさりと認めた。それで、返答は――。
「自分はちょっと、できないですという話で。毎回、お断りみたいな形になってしまうんですけど」
打診は複数回に上っているようだ。では、将来的な政界進出は――。
「考えていないです」
とはいえ、講演会を〝満員札止め〟にする実力を見るに、オファーがなくなるとも思えない。
一方、角界で出回っていたのが、別のウワサだ。「貴乃花がスポーツ庁長官の座を狙っている」というもの。その裏付けとされたのが、花田氏の東京大学通いだ。最高学府で知識を身につけたうえ、スポーツ行政のトップとして、弟子をめぐる問題で反目したこともある相撲協会にくちばしを挟むのではという見立てだ。
どうなのか――。
花田氏によると、東大には2018年末から通ったという。学生たちにスポーツビジネスを教える講師としてだった。「(東大には)今は、行っていないですね」。要職に就く可能性についても、「ないですね。(スポーツ庁の仕事の話も)いただいたこともないし」。発信力のある花田氏を意識しすぎたのだろう。親方衆の恐れは〝肩すかし〟を食った形だ。
「道場」のホームページを見ると、福島県や米ロサンゼルスで相撲の普及活動などを行っている。「今はこんな活動。至ってこんな感じ」。晴れやかな表情は、最後の優勝で見せた「鬼の形相」とはほど遠かった。
芸能活動については、「行動が読みづらく、テレビの生放送では使いにくい」(スポーツ紙の芸能担当デスク)という声もある花田氏だが、新たな〝土俵〟に充実感を得ているようだ。

(本誌・飯山太郎)

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