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2019年12月15日号
羽生結弦「勝利への飢え」見せ、GPファイナルで打倒チェン
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大舞台で持てる力を発揮して宿敵を倒すだけ。けがに悩まされてきた王者が燃えている。11月23日に札幌で行われたフィギュアスケートGPシリーズ第6戦NHK杯男子フリーで、ショートプログラム(SP)首位発進の羽生結弦(24=ANA)が195・71点を記録し、合計305・05点で優勝した。第2戦のスケートカナダに続く連勝で、12月5日開幕のGPファイナル(イタリア・トリノ)に3年ぶり7度目の出場を決めた。同大会は今年3月の世界選手権金メダリストで、合計323・42点の世界最高得点を保持しているネーサン・チェン(20=米国)との一騎打ちになるのは必至で、羽生は3年ぶりの優勝と世界最高得点更新をかけて臨む。

チェンの今季最高得点がスケートアメリカで記録した299・09点なのに対し、羽生はスケートカナダで挙げた322・59点。だが、羽生は「やっとファイナルで戦える位置に来た。ネーサンはこんなものではない。彼のベストと戦い、勝ちたい」と珍しく勝利への「飢え」をあらわにした。五輪連覇の「絶対王者」もGPファイナルを欠場した2年分の悔しさが溜(た)まっている。一昨年はNHK杯の公式練習中のけがで棄権、昨年はロシア杯でのけがで欠場した。その間、チェンが連覇して世界選手権も制し、世界のトップに躍り出たのだ。
NHK杯のフリーの課題として羽生が重視したのが、冒頭の4回転ループと続く4回転サルコウ。これを決めて波に乗った。4回転トーループから3連続ジャンプの失敗も、後の連続ジャンプの難度を高めて修正した。点数は伸びなかったが、まだそれだけ伸びる余地があるということだ。ファイナルでは、もっと難度が高い大技4回転ルッツに挑むことも検討している。
どこまでもさらなる進化を求め続ける羽生。眼前の敵はチェンだが、その向こうには未来の羽生が見えているのかもしれない。(水木圭)

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