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イチオシ
2019年12月 8日号
若者こそ資産づくりのゴールデンエイジ 20~60代の世代別投資法
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▼30代が「株式インデックス投信」を買うべき理由

▼40~50代は自分に合う「ポートフォリオ」が大事

▼60代以降に向く「ターゲットインカムファンド」とは...

老後資金を築く方法は世代によってかなり違う。20代は自分自身の労働市場での価値を高めるための投資が必要だ。働き盛りの世代は「つみたてNISA」を使った投資、60代以降は別の投資法が向く。最新の金融知識を基に経済アナリストが説く。

ネット証券の口座数が急増している。今年3月と9月を比べると、37万件、4%の増加だ(大手5社のうち、9月分の発表がない楽天証券を除く4社)。とりわけ最大手のSBI証券は7%近く伸ばした。日本の個人金融資産約1800兆円の半分以上は現預金のままという状況に変わりないが、にわかに投資意欲が高まっているようなのだ。

起爆剤ははっきりしている。金融庁が今年6月、発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書だ。「老後資金2000万円不足問題」として国民的論議になったのはご存じの通り。「老後資金は公的年金だけで十分」と考えていた人からすれば、青天の霹靂(へきれき)だった。それが判明したことで、何十万人もの人が証券各社に口座開設を急いだのだ。

とりわけ関心が高まっているのが「個人型確定拠出年金(iDeCo、以下イデコ)」や「つみたてNISA(ニーサ)」といった、投資を促す国の制度。よく知らない人も多いと思われるので、少し説明しておこう。

イデコの正式名称に「確定拠出年金」という言葉を含むのは、「年金の掛け金が確定している」という意味だ。日本で制度が始まったのは2001年と歴史は割と浅い。対をなすタイプの年金に「確定給付年金」がある。「年金額が確定している」という意味になり、昔からある厚生年金基金などが該当する。

さて、確定拠出年金に話を戻そう。このタイプは「企業型」と「個人型」の二つに大別される。原則として、前者は掛け金を払うのは企業、後者は年金をもらう本人だ。つまり、イデコ=個人型確定拠出年金は、年老いてからもらう年金の掛け金を自分で払って運用する仕組みだ。自営業者、学生、サラリーマンの扶養配偶者のほか、企業型確定拠出年金がない企業のサラリーマンを主な加入者に想定している。

イデコを使って投資すると、普通の金融商品とは違って原則として60歳になるまで解約できない。その半面、税負担はかなり優遇されており、節税効果も高い。「老後資金2000万円」を築くには有効な手段として申し込む人が急増した。証券口座が4%増加した今年3〜9月の間、イデコの加入者は17万人、14%と大きく増えている。

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