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2019年12月 1日号
バターとの新しい付き合い方を提案するバラエティー豊かな風味
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1969年にデビューした「ブレッド&バター」という兄弟フォークデュオがいる。70代の今も、ライブで美しいハーモニーを聴かせてくれている。まさにパンとバターのような名コンビだ。炒め物など料理にも使うが、バターといえばパンの相棒、そして何かに塗るもの。これが日本の常識だろう。

しかしヨーロッパでは塗るだけでなく、小さな塊を乗せる感覚で、よりストレートにバターを味わっている。たとえばドイツでは、ラディッシュとバターの組み合わせは、ビールのお供の定番だ。

こんな楽しみ方が浸透しているのは、ヨーロッパのバターの多くが発酵バターだから。原料となるクリームを乳酸菌で発酵させているので、バターの風味はそのままに脂っぽさをカット。だからそのまま食べても、軽やかでおいしいのだ。

天然素材と伝統技法を尊重しつつ、最先端の素材学や調理テクニックを駆使して、新しい食体験を提案するナショナルデパートは、国産発酵バターを使った〝食べるバター〟を販売している。フランスでは「ブールアロマティゼ」と呼ばれており、バターにナッツやドライフルーツ、スパイスなどを練り込んである。

イチゴ風味のバターにブルーベリーやカシス、同様にマンゴー風味+キウイやパパイヤ、そしてチョコレートベースのバリエーションなど、スイーツ的なラインアップは、まさにお菓子感覚。プレーンのラスクにでも乗せれば、いくらでも食べられる。

だが、さらに面白いのが塩味の調味料的なシリーズだ。「トムヤムクン」=写真=はタイの海老スープ味。タイ料理独特のスパイスが香り、魚醬(ぎょしょう)の塩気が食欲をそそる。熱々の白飯に乗せるだけでおいしい。「パクチニスト」はパクチーの香り全開で、好きな人にはたまらないだろう。

カップ入り321円〜、ポーション1339円〜(共に税込み)。(小出和明)

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