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2019年12月 1日号
ATM利用料、振込手数料、預金の利息...ネット銀行はこれだけお得!
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今、銀行の利用方法が大きく変わっている。支店に出向いて手続きをする人が減り、銀行は統廃合を急ぐ。現金自動受払機(ATM)を減らす動きもある。一方、インターネットを使う銀行サービスは拡大する一方だ。お得な「ネット銀行」の最新事情をお届けする。

「地銀と"第4のメガバンク"を目指す」

金融大手SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長はそう述べ、金融界に衝撃が走った。きっかけは9月、第二地銀の島根銀行が「金融大手のSBI HDから34%の出資と取締役派遣を受け入れる」などとする資本・業務提携を発表したことだ。わずか2カ月後にはSBI HDが第二地銀の福島銀行に10億円程度の出資をする方針を固めた。金融関係者が言う。

「SBIはインターネット専業銀行(ネット銀行)最大手の住信SBIネット銀行やネット証券大手のSBI証券を傘下に抱えています。いわば〝ネット金融界の巨人〟が第二地銀という疲弊した業態に触手を伸ばすとは、予想もしない事態です。日本の銀行界が様変わりしかねません」

これとは別に、福井県首位の福井銀行と同県の第二地銀、福邦銀行が包括連携を目指して協議を始めると発表している。金融庁の集計によれば、貸出金利と手数料からなる地銀の本業利益は全105行のうち4割が赤字だった(2018年度)。苦境の地銀を席巻するのはネット金融なのか。

一方のメガバンクは――。三菱UFJ銀行は17年、営業店の窓口を訪れる客の数は「10年間で4割減少」と発表した。対照的に増えたのは、インターネットで振り込みや残高照会などをするインターネットバンキングサービス(以下、ネットバンキング)を利用する個人客だ。16年度までの5年間に4割増えたという。

メガバンク3行は同年、相次いで社員数や業務量、支店の削減を発表した。今年9月には、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は店舗の外に設置するATMの相互開放と共同利用を始めた。メガバンク同士のこれまでにない踏み込んだ提携だ。金融関係者が言う。

「もちろん大きな理由は日本銀行が16年に始めたマイナス金利政策。集めた預金を貸し出し、利ざやを稼ぐという銀行本来のビジネスでは稼げなくなってしまった。リストラや今までにない打開策が不可欠なのです」

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