サンデー毎日

政治・社会
News Navi
2019年10月27日号
食材と郷土料理を味わいながら47都道府県を再発見できる食堂
loading...

食欲の秋である。涼しくなると、よく眠れるし、身体も動かしやすい。きっと代謝もよくなって、お腹(なか)が空(す)くのだろう。そして「実りの秋」だから、食べることを考えるのが楽しい季節だ。

その考えを、単なる美味(おい)しさの探求から少し広げてみると、食べることはもっと楽しく豊かになる。そんな食体験ができるのが、東京都世田谷区奥沢の「dたべる研究所」。「ロングライフデザイン」をテーマに、長く愛される食材や道具を継承・展開する活動体「D(デイ)&(アンド)DEPARTMENT(デパートメント)PROJECT(プロジェクト)」が運営するレストランだ。

同社は全国47都道府県に1カ所ずつ拠点を作りながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介し続けている。

本店も、そのプロジェクトの一つ。味噌(みそ)・香辛料・発酵食品など、47都道府県で出会った食文化から、毎月一つを研究テーマとして選び、日本列島を縦断的に体験できるビュッフェ形式のランチ(平日2000円、土日祝2500円・税別)=写真=を提供している。飲み物は全国の自生野草茶、果実ソーダやフロートが季節に合わせて登場。カフェタイムにはドライカレーやオムライスも楽しめる。

6月のオープンから味噌・寿司(すし)・香辛料・豆腐とテーマを変え、10月は「いりこ」。出汁(だし)として味噌汁や煮物に使うのはもちろん、酢漬けやオイル漬け、醤油(しょうゆ)漬けといった一風変わった食べ方も提案している。

また本店では、テーマ食材を使った料理教室も催している。生産者・料理人・生活者が一緒に作って一緒に食べるという、食材を背景も含めて、まるごと味わえる教室だ。年内のテーマはきのこ・乾物と続く。乾物では豆やひじき、お麩(ふ)などを取り上げ、日本の食文化に根付いた郷土料理をひもといていくという。味覚の温故知新は、新しい発見にも繋(つな)がりそうだ。

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム