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2019年10月20日号
あいちトリエンナーレ補助金不交付 文科省の消えない罪 直撃スクープ 文化庁長官・宮田亮平 涙の激白「私の権限では...」
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◇「表現の不自由展」再開へ

異例の経緯をたどったと言えるだろう。愛知県で開催中の「あいちトリエンナーレ」である。話題となった「表現の不自由展・その後」は再開する見通しとなったが、新たに持ち上がったのが、文化庁の補助金不交付問題だ。芸術家でもある長官は、本誌の直撃取材に涙を浮かべ重い口を開いた。

補助金交付の問題をめぐるキーマンがいる。文化庁長官、宮田亮平氏、74歳だ。東京藝術大学前学長にして、イルカをモチーフにした金工作品などでも知られる。誰よりも芸術を愛するご仁はなぜ、文部科学相の陰で沈黙を守り続けているのだろう―。まず、問題の経緯を振り返りたい。

3年ごとに60万人前後の来場者を集める国内最大規模の国際芸術祭が「炎上」したのは、8月の開幕直後だった。目玉企画「表現の不自由展・その後」(以下、不自由展)に、ガソリンテロ予告や電凸(電話による攻撃)が殺到し、たった3日間で中止に追い込まれてしまったのだ。

海外作家を中心に抗議のボイコットが続出、一時は芸術祭そのものの存続も危ぶまれた。閉幕が迫る中、芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事は9月25日、「不自由展再開を目指したい」と表明した。

ところが翌26日、新たな「伏兵」が現れた。文化庁が、既に採択していた芸術祭への補助金約7800万円全額を交付しない、という異例の決定をしたのだ。

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