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2019年10月 6日号
「韓国外交ツートップ」口論騒動 康外相の難敵は「要注意人物」?
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日本との対立や米朝非核化交渉など、韓国外交の眼前には難題が立ちはだかっている。その最前線に立つ重要人物に、韓国国民が不安を感じるような"事件"が発覚した。

主役は、康京和(カン・ギョンファ)外相と金鉉宗(キム・ヒョンジョン)大統領府国家安保室2次長の二人。いわば外交のツートップが今年4月、周囲も気にせず激しい言い争いを繰り広げたというのだ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が中央アジア3カ国を訪問中のこと。外務省職員が作成した公式文書の内容に金次長が異議を唱え、職員を大声で叱責したのが発端だった。これを見た康外相が「私の職員に大声を出さないでほしい」と注意すると、金次長は「これが私のスタイル(It's my style)」と英語で言い返し、その後も英語で言い争ったという。

"事件"を国会の外交関連委員会で暴露したのは野党議員。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄をはじめ、金次長の外交手腕に疑問を呈し、現政権の姿勢を追及する意図だった。だが康外相は「言い争ったことは否定しない」と答弁し、事実上これを認めてしまった。

故・金大中(キム・デジュン)大統領の英語通訳を務め、国連機関で長らくキャリアを積んだ康外相も、米国との通商交渉本部長として自由貿易協定(FTA)交渉でタフネゴシエーターといわれた金次長も、ともに英語が流暢(りゅうちょう)。むしろ「韓国語が少し不自由」(韓国紙記者)と言われるほどだ。

一方、「金次長は要注意人物。黒を白にするほどの緻密な戦略思考と雄弁さを持ち、それが日本に向けられたら脅威だ」(日本の経産省関係者)とも評価されている。今後、元徴用工問題や世界貿易機関(WTO)に提訴した輸出規制問題などの交渉の場で金次長が前面に出てくるとすれば、「十分な理論武装と戦略を用意すべき」との声が日本政府内で広がり始めている。(浅川新介)

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