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2019年9月29日号
大阪カジノ誘致構想に黄信号 呪縛解けぬ吉本に追い打ちか
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所属タレントの闇営業問題に揺れた吉本興業。その余震がいまだくすぶり続けるなか、泣きっ面にハチのような事態が起きているという。

関係者が声を潜める。

「吉本の起死回生策は、大崎洋(ひろし)会長肝いりの2025年の大阪万博、それにカジノを含めた統合型リゾート施設(IR)への参入です。ところがIRの大阪誘致が暗礁に乗り上げたようなんです」

松井一郎・大阪市長は府知事時代から大阪市の人工島、夢洲(ゆめしま)へのカジノ誘致に力を傾注。そのかいあって夢洲は最有力候補地としての地歩を固めたはずだった。

「カジノ周辺には劇場などのエンターテインメント施設も建設される計画で、その売り上げは年間約500億円ともいわれています。吉本にとってビッグチャンスで、大崎会長は松井市長だけでなく、安倍政権にも接近して誘致実現に取り組んできました」(在阪のテレビ関係者)

ところが、突如として黄信号がともる。米大手IR事業運営業者「ラスベガス・サンズ」が8月22日、大阪市の計画に乗らないと表明。IR誘致を決めた横浜市の構想にくら替えする方針を示した。

このサンズ社、ただの業者ではない。安倍晋三首相の"親分"トランプ大統領の大スポンサーとして知られる。裏を返せば、トランプ氏が後押しする企業。それだけに、関係者の間には「横浜は菅義偉官房長官の地盤。大阪でのカジノ構想は事実上、ついえた......」という観測が広まる。

永田町関係者が話す。

「吉本は芸人を動員して安倍政権にすり寄り、政権サイドも吉本を利用してきた。ところがタレントの契約問題や、岡本昭彦社長のパワハラが暴露され、政権側が距離を置き始めたんです。カジノ誘致が失敗したら、踏んだり、蹴ったりですよ」

カジノはギャンブル。とらぬ狸(たぬき)の皮算用になる前に"芸人ファースト"に力を入れる方が堅実かも。(本多圭)

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