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2019年9月29日号
「史上最強」高校選抜5位に沈む 野球U18W杯「惨敗」のワケは?
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野球のU18(18歳以下)W杯の日本代表。史上最強の高校選抜といわれ初優勝が期待されたが、メダルにも届かず、5位に終わった。韓国・機張(キジャン)で8月30日~9月8日に行われた今大会で、日本は2次リーグで韓国、オーストラリアに敗れ、3位決定戦にも進めなかった。

敗因は明らかだ。木製バットへの対応の遅れと守備の乱れだ。計8試合中6試合が1けた安打で、3安打以下が3試合という貧打。エラーは9個を記録して失点に結び付いたが、7失策が内野手。ほとんどが一塁への送球ミスで、一塁手や外野手の記録に残らないミスも多かった。守備面での不安については、代表メンバー発表時から関係者の間で懸念されていた。

球数制限もあり、登録メンバー20人のうち投手が9人(内野手兼任を含めると11人)を占めたのは致し方ない。問題は野手。外野手は2人だけで、内野手7人のうちショート専門が6人にものぼった。登録メンバーで夏の甲子園で決勝を戦った星稜からは奥川恭伸投手と山瀬慎之助捕手の2人、優勝した履正社からは主砲の井上広大外野手を含め1人も選出されなかった。

史上最高と言われた投手陣も、先発の軸として期待された佐々木朗希(大船渡)が血豆で1イニングしか投げられず、奥川も素晴らしい投球を見せたものの、甲子園での疲労蓄積で登板は1試合だけに終わった。結局、強豪相手には西純矢(創志学園)、宮城大弥(興南)、飯塚脩人(習志野)に負担がかかり、選出した投手陣を使いこなせない結果となった。

高野連は今年4月に1次候補37人を選出して、研修合宿を行った。対策そのものは納得できるが、その結果、甲子園不出場組が7人も選ばれて大舞台での弱さも出てしまった。永田裕治監督(55=前報徳学園監督)ら首脳陣は来年2月に刷新されるが、選考過程から見直さなければ優勝は遠いままだ。(水木圭)

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