米大統領選が間近に迫る中、民主党候補のバイデン前副大統領(77)の言動を巡る〝疑惑〟が再燃している。
10月25日に開いたコンサートにリモート出演した際、「これから4年、ジョージ、ああいや、ジョージ......」と言いよどんだのだ。対立候補のトランプ大統領(74)をジョージ・W・ブッシュ元大統領(74)と間違えたようだ。
すぐに訂正したが、言い間違いの部分がインターネットで話題になり、「民主党はなぜもっとまともな候補者を立てられなかったのか」などと、キツい書き込みが相次いだ。
これまで2度の候補者討論会では大きなミスをせずに済んだ。罵(ののし)り合いの醜態はさらしたものの、その点ではトランプ氏も同じだろう。世論は「討論会は引き分けかバイデン氏の勝ち」という意見が多かった。しかし、「ジョージ」の一言で「言動が危うい」という見方を強めた感がある。
米国では「バイデン氏は認知症ではないか」という見方がある。最近もジュリアーニ元ニューヨーク市長(76)が「間違いない」と語って騒ぎになった。
高まる不安に対し、民主党関係者は「バイデン氏はブッシュ氏の名前を言いたかったのではなく、質問をしたコメディアンのジョージ・ロペス氏(59)に話しかけたのだ」と反論。言い間違いはなかったとする。会話の流れを考えると、苦しい言い訳だ。
トランプ氏は翌日、すかさずこんなツイート。
「ジョー・バイデンは昨日、私をジョージと呼んだ。司会者に助けてもらってインタビューを終わらせることができた」
バイデン氏が大統領の座を射止めれば、不安はさらに高まりそうだ。
(土方細秩子)