サンデー毎日

コラム
それってどうよ
2021年4月 4日号
どうせならお金か土地を譲ってほしかった(...とは言えない)=池野佐知子
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OL400人は考える・それってどうよ!?/689

 コロナ禍、OLさんは断捨離に一生懸命です。多くが「捨てるもの」「売るもの」「譲るもの」の三つに分けているようですが、譲るもの部門ではオンラインセールとして友達同士でモノを譲りあうこともあるそうです。今週は「私が譲り受けたもの」。

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「母が祖母から、祖母が曽祖母から受け継いだというパールのネックレス。20歳のときにもらいました。曽祖母は存命なら102歳、20歳で結婚するときに両親にもらったものだと聞いたので、82年前のもの。すごく美しいです。私も娘にあげたいけれど、結婚がねぇ(失笑)」(商社・28歳)

「昨年、まだコロナがスタートしていないときに転職した憧れの女性先輩が、営業顧客リストを譲ってくれました。『誰にあげようかと思ったけど、Jちゃんに決めた! 私に似てるから』。泣ける~っ。顧客それぞれの癖やキラーワードまで入っていて、先輩は本当にすごい、と受け取った重みを感じています」(人材派遣・26歳)

「姉がこの秋、結婚することになり、私が狙っていたスーツ3着を譲ってくれました。『私は当分、子どもが生まれてその子が成人するまで仕事はしないと思うから』って。早くコレ着て営業に出たいです。コロナ、おさまれ!」(飲料水・25歳)

「父母共に音楽の仕事をしていて、私も弟も生まれたときから絶対音感がありました。雨の音とか鳥のさえずりとか風の音とか聞いてもすぐに『あ、いまのドだね』とか言い出す一家です」(コンサル・28歳)

「叔母に『あなたにあげたいものがあったのよ~』と差し出されたのが砥石(といし)。2年前に一人暮らしを始めたのですが、そのときに渡したかったものがコロナで渡せなくなったとか。でも、砥石? 母も使ってないと笑っていました」(家電・27歳)

「祖父が『断捨離したら山ほど出てきたからどうぞ』とくれたのがテレホンカード! 100枚くらいありましたが、私はいままで公衆電話使ったことがないし、多分、これからも使わない。ありがとうとは言ったけど、です」(コンピューター・23歳)

「私が目の前に立つと速攻で『あ、どうぞ』と席を譲られました。多分、妊婦さんだと思われた模様。遠慮なく座った後、ダイエットを決意しました」(アパレル・29歳)

「弟宅で猫が6匹生まれたと、『まず姉ちゃんに好きなの決めてもらってから、他の人に譲るよ』とLINEが来ました。私の部屋はペットNG。選ぶだけ選んで、実家に譲りました。でも、弟から譲り受けた私の猫!」(ゲーム・28歳)

「去年定年退職した上司は、すごくエライ人なのにカラオケ友達。コロナで定年のお祝いはできませんでしたが、『ありがとう』というメモと共にmyマイクを送ってくださいました。うれしかったけど、上司の飛沫(ひまつ)たくさんだろうマイク。使うのはもちろん、飾るのもはばかられて、まだ箱に入ったままです」(証券・27歳)

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 いろいろと譲り受けていますね。譲った方のその想いを大切に!

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