サンデー毎日

コラム
それってどうよ
2021年3月28日号
それぞれの10年。あなたはいかがでしたか?=池野佐知子
loading...

OL400人は考える・それってどうよ!?/688

 コロナ、オリンピックと話題は尽きませんが、今年は東日本大震災から10年目。今週は「あれから10年」がテーマです。

   ◇   ◇   ◇

「当時、私は小学6年生で『被災地にいま、何ができるか』をテーマに学級会をしたことを覚えています。けっこういろいろな意見が出て『大人になったら、被災地を応援するために宮城県に移住します』と言った女子がいたこと、思い出しました。彼女、どうしてるかな? 私は当時も、今も、悲しいくらい普通です」(家電・22歳)

「東日本大震災以後、我が家はすぐに水やらカンパンやらラジオやらレトルトのごはんやカレーなどを詰めた防災グッズを家族分4セット作ったのですが、それがそのまんまの形で屋根裏倉庫に置かれています。使う機会がなくてよかったのか、災害リテラシーがないのか......。とにかく新しくしようという話になっています」(人材派遣・26歳)

「震災がきっかけで高校のボランティア部に入って、部長だった二つ上の先輩と付き合い始めました。現在、付き合い歴10年です」(外資系コンサル・25歳)

「震災から10年。被災地はまだ本当の復興にはなっていないようですが、私は毎年1㌔ずつ増量し、10年でちょうど10㌔増えました。44㌔から54㌔に(恥)」(コンピューター・28歳)

「福島出身です。当時は私の未来はどうなってしまうのだろうと友達と話したものですが、気づけば10年が過ぎました。実家は母の出身地の横浜に移住し、故郷はなくなりました。ハマッコ歴9年。3月にはいつも福島の夢を見ます」(IT・28歳)

「あの頃は計画停電をしていたけれど、いまは電気を使いたい放題。駅のエレベーターだって止まっていたのになぁ。我が家なんて、3年前にガスをやめてオール電化にしてしまいました。間違ってる気がします」(飲料水・24歳)

「震災後に結婚熱がものすごく高まった姉(当時26歳)ですが、実を結ばないので、いったん(結婚熱が)冷めて、今度はコロナで私も姉と一緒に結婚熱ヒートアップ。二人で婚活サイトに登録し、36歳の姉は今年、結婚することになりました」(アパレル・29歳)

「震災の年に大人の仲間入りをしましたが、今年は30の大台に乗ります。十の位が『2』と『3』では違うよなぁ」(通信・29歳)

「あれから10年。私が3歳のときに父が心筋梗塞(こうそく)で他界し、女手ひとつで私と兄を育ててくれた母が、一昨年、仙台の人と再婚して、仙台に移住しました。兄と遊びに行きましたが、街中に緑がたくさんあって、とても素敵(すてき)な街でした」(都市銀行・24歳)

「東日本大震災のときに大学の友達と岩手にボランティアに行き、あの時の風景、被災した人たちの言葉は私の人生を変えました。ボランティアサークルに入り、いまも活動をしています。私のライフワークです」(コンサル・29歳)

   ◇   ◇   ◇

 東日本大震災から「もう10年」なのか、「まだ10年」なのか、意見は分かれるところですが、また、春がやってきましたね。

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム