牧太郎の青い空白い雲/804
例の森喜朗さんの「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」という女性蔑視発言。
森さんは「昨夜、女房にさんざん怒られた。『またあなた、大変なことを言ったのね。女性を敵にしてしまって、私はまたつらい思いをしなければならない』と言われてしまった。今朝は娘にも孫娘にもしかられた」。
そう怒られた森さん、「辞めるしかない!」と思ったらしい。
それが一転して「続投」になったのは武藤敏郎事務総長の「ここで組織委会長が辞めれば、5000人の組織はどうなりますか?」の一言。何やら「仁俠(にんきょう)の世界」。結局、辞めることになった。
大体、森さんは「組織委会長」にふさわしくなかった。
その理由①政府は「財界人が良い」と判断。キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長やトヨタ自動車の張富士夫・元名誉会長に就任を打診したが断られた。
理由②森さんは東京五輪招致委員会の評議会議長を務め、各国首脳との人脈を生かして「無理な招致」に尽力したのだが、その「経緯」が明るみに出る「悪い予感」があった。
森さんの組織委会長就任は始めから「ケチ」がついていた。
その森さんを「続投」させようとしたのは、多分、コロナ禍で東京五輪中止!と決まっているからだろう。そんな気がする(「中止」には2032年まで放映権契約している全米3大ネットワークのNBCの承諾が必要だが)。
森さんの最後のご奉公は「中止」と決まった時「悲運の会長」を演じ、事後処理を命じてから辞任するつもりだったのではあるまいか? そんな気がする。
でも東京五輪中止は想定内だ。それより......心配なのは2025年開催予定の「大阪万博」である。
インバウンド(訪日外国人客)が頼みの関西の景気は急速に冷え込んでいる。
だというのに万博会場建設費は1・5倍に膨張するらしい(約1250億円から約1850億円に)。
経済界は当初、建設費のうち、400億円相当を負担する予定だったようだが、このコロナ不況で、そんな余裕はない(例えば、関西鉄道5社は赤字に転落している)。
万博を成功させ、関西経済にV字回復を!と言っていた面々も「ホンマは止めたい」気分?
そこで登場するのが「五輪4年ずつずらす説」。
2024年東京五輪、2025年大阪万博! 2年連続のお祭りで景気は上向くはずだが? どうだろう。