サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2021年1月17日号
菅政権の足を引っ張る二階派「やはり野に置け蓮華草」の面々
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牧太郎の青い空白い雲/798

新年、おめでとう!なんて「悠長な気分」にはなれない。新型コロナの感染拡大状況をAIは「(この号がお手元に届く頃の)1月5日、新たな感染者4000~5000人」と予想している。不安だ。

だというのに、「GoTo」をストップさせるべきか?深刻な議論が進む最中(さなか)、何を考えてか、菅首相、ネット動画で「ガースーです」とおちゃらけてみせた。それだけではない。二階俊博幹事長のお誘いで〝8人の大勢〟で超高級ステーキ会食。ついに国民も怒り出した。

支持率急落?「来年度予算が成立したタイミング(4月)で、菅さんは退陣するのではないか?」という声さえ聞こえる。永田町は浮足立っている。

原因は?ズバリ、二階派にある。なにしろ、この政治集団は「変わり者」ばかりなのだ。

某女性議員は同僚議員(既婚者)と東京・六本木の路上でキスをして盗撮された。そして東日本大震災を「まだ東北でよかった。首都圏に近かったりすると、甚大な額になった」などと失言して辞任した大臣も二階派だった。

逮捕者もいる。参院議員の河井案里さんは公職選挙法違反の買収容疑。カジノ汚職で衆院議員・秋元司さん。更に、東京地検特捜部は吉川貴盛元農水相、西川公也(こうや)元農水相を養鶏会社の元代表からワイロを貰(もら)った疑いで捜査中。逮捕者は増えるだろう。ともかく「二階派」はヘンな人ばかりだ。

俳人・滝野瓢水(ひょうすい)は遊女を身うけしようとした友人に「手に取るなやはり野に置け蓮華草」と諫(いさ)めた。野に咲くから美しいが、摘んできて家の中に飾っても......という意味らしいが、この言葉、いっとき、政治の世界でも「流行語」になった。

佐藤栄作内閣で初入閣した荒舩清十郎運輸相が自分の選挙区の深谷駅を急行停車駅に指定、世論の批判を受けると「私のいうことを国鉄が一つぐらい聞いてくれても、いいじゃあないか」と発言して大騒ぎ。その時、所属派閥の領袖(りょうしゅう)・川島正次郎自民党副総裁は「やっぱり〝野におけレンゲ草〟だったよ」と嘆いた。

今、菅政権では二階派の面々が、いや、二階さん自身が〝レンゲ草〟ではないのか?コロナ禍の最中、首相を「身内」に近い人物(例えば「みのもんた」は本業の水道メーター事業で親しい間柄)との忘年会に誘って「闇将軍」気分。当方の取材では「鶏卵疑惑」の中心人物は実は二階幹事長?

〝令和のレンゲ草〟が政権の命取りになったりして......。読者の皆さん、今年も、お付き合いください。

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