サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2020年12月13日号
冷静に冷静に!東京五輪はコロナにもテロにも勝てないぞ!
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牧太郎の青い空白い雲/794

前回「第3波襲来?より『アメリカ不参加』の東京五輪が試練だ!」を書いたら〝最初の読者〟坂巻編集長から「アメリカ不参加なんて考えなかった」と言われた。エッ、週刊誌の編集長まで「東京五輪はコロナ禍に勝った証拠」という謳(うた)い文句を信じているのか?

バイデン次期大統領が心配しているのは新型コロナだけではない。東京五輪にアメリカ選手は参加しない! (隠された)理由? それはテロである。

世界最悪のテロリスト、ウサマ・ビンラディンの姪(めい)「ヌール・ビンラディン」はトランプ贔屓(びいき)。多分、叔父がオバマ政権下で殺されたから!だと思うが、「バイデンが権力を握ったら、アメリカは第二の9・11を経験する」と予言している。

五輪は国際テロの格好の舞台だ。1996年のアトランタ大会。伝説のボクサー、モハメド・アリの感動的な聖火点灯で幕を開けた大会の7日目。オリンピックパークのコンサート会場で、警備員がベンチ下に置かれた不審なリュックを発見した。爆弾だった。迅速な避難誘導で多くの観客やスタッフが難を逃れたが、釘(くぎ)が仕込まれたパイプ爆弾が爆発して2人が死亡、111人が負傷した。

72年のミュンヘン大会のテロはもっと〝大掛かり〟だった。何者かが、選手村に侵入。巡回していた警備員が殺害されたコーチの遺体を発見。犯人たちはイスラエル選手9人を人質に立てこもった。

パレスチナの過激派組織「黒い九月」の犯行だった。犯人側の要求した航空機が用意された空軍基地でテロリストと警官隊による銃撃戦が起こり、テロリスト5人、警官1人、人質のイスラエル選手9人が死亡した。最悪だった。

東京五輪だって、テロ集団の標的になる可能性は十分、あり得る。バイデンは「東京五輪でのテロ勃発」を本気で心配しているのだ。

そんな中で、韓国の国家情報院の朴智元(パク・チウォン)院長が菅義偉首相と会談して「東京五輪の際に南北と日米の首脳が会談し、拉致や北朝鮮の核問題の解決策について議論したらどうか?」と提案したらしい(「朝鮮日報」が報道)。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を東京に招待する!まさか。能天気にも程がある。

東京五輪のスポンサー契約の期限が12月末に迫っている。スポンサーは「協賛金の追加拠出」が求められるようだが、ちょっと冷静になってくれ!本当に五輪は必要なのか?

このままでは、新型コロナとテロ、それに〝出来の悪い政治家の悪巧み〟で、東京五輪はめちゃくちゃにされるぞ!

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