サンデー毎日

コラム
それってどうよ
2020年9月13日号
私たち、圧倒的おじさん不足なんです!=池野佐知子
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OL400人は考える・それってどうよ!?/661

ドラマの影響もあり、おじさんにトキメクOLが増えているようです。その名も「おじキュン」。それって、本当なのでしょうか?

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「会社の警備室にいるおじさんが、いつもニコニコ、穏やかで本当に優しい。裏口を使ったときに『こんにちは』と言うと、満面の笑みで『お疲れ様』と返してくれます。疲れた日には、おじさんの『こんにちは』を聞きたくなります」(コンピューター・26歳)

「よく行く居酒屋でいつもひとりで飲んでいる常連のおじさんが、いい感じ。店の人と談笑している姿が自然で、大人の色気も感じます。たま~に話をしますが、私たちが愚痴を言っても、黙って聞いてくれるだけで余計な説教はなし。全方向、何でも受け止めてくれます。コロナで飲みに行けなくなって、私たち、おじさん不足です」(飲料水・28歳)

「最近、ゴルフを始めたのですが、コーチをしたがるおじさん多数。いろいろな人に同時に教えてもらうから、かえって何が正解か分からなくなっちゃうこともあるのですが、ひとり、コーチをすることなく、ただニコニコとカートに迎えてくれるおじさんがいて、何も見てくれていないのかと思えば『ナイスショットだったね』とか『この調子だと、すぐ追い付かれそうだなぁ』とか、感じのいい声掛けをしてくれます。この絶妙な距離感におじキュン♡」(テレビ局・27歳)

「うちの部の嘱託のおじさんが素敵(すてき)。物静かに仕事をしているのですが、困ったときに質問をすると、なんでも的確に答えてくれるんです。噂(うわさ)によると、『仕事がすごくできたけれど、女性関係で失敗して左遷された』らしく、私たち皆で『分かる、分かる。そっち系だよね』と話しています。過去に何かあったけれど、いまは酸いも甘いも嚙(か)み分けて好々爺(こうこうや)しています、な香りがプンプン。そういうおじさん、好みです」(コンサル・26歳)

「アイドル部長がいます。後ろ姿を見ると、お尻がキュッと上がってイケメン風なのですが、前から見るとお腹(なか)がすごい。もはや、そのお腹はギャグです(笑)。宴会ではそのお腹をぶるぶる震わせて、♪ウララ~ウララ~ウラウララ~と歌ってくれる姿がキュート。そんな部長が健康診断前に社食で『オレ、いつからこんな腹になったんだろうなぁ』とお腹を触りながら遠い目をしていました。なぜかその愁いにキュン」(自動車・25歳)

「コロナが始まってからは会いませんが、コロナ前に朝の電車で一緒になるおじさんが素敵でした。遠藤憲一に似ていて、痴漢に困っていた大学生っぽい女の子を(痴漢から)かばっていたんです。おじさんが降り際に『いい加減にしなさい!』と静かに痴漢に一喝。瞬間、同じ車両の女子全員が胸キュンでした」(デベロッパー・26歳)

「力を入れていたプロジェクトに失敗したとき、落ち込んでいた私にチームリーダーのおじさんが『頑張ってくれてありがとう』とハーゲンダッツのアイスをくれました。泣きそうになるほど、心に沁(し)みました」(広告・28歳)

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おじキュン体験者は、実に83%。いよいよおじさんの時代到来⁉

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