牧太郎の青い空白い雲/777
新型コロナは「妖(あやかし)」である。その症状は発熱、咳(せき)、喀痰(かくたん)、咽頭(いんとう)痛、鼻汁、嗅覚・味覚異常......それに最近は複雑な後遺症。まさに妖怪変化。「お化け」「憑(つ)き物」「物の怪(け)」の仕業ではあるまいか?
奈良・平安時代、人々は〝怪しい奇妙な現象〟を「妖」とか「妖怪」とか言っていた。宝亀8年(777年)の『続日本紀(しょくにほんぎ)』に「大祓(おおはらえ)、宮中にしきりに、妖怪あるためなり」という記述があるから、当時の人は「神の存在」を認めつつも「妖怪の恐ろしさ」に震えていた。
令和の新型コロナも「あやかし」。正体も分からないから「妖怪」だ。
ただ一つだけ「これだけは用心した方が良い」と言えるのは、妖艶な?セックスワーカーの存在である。
某県警察本部の男性警察官が深夜、咳や発熱、味覚・嗅覚異常の症状が出て119番。緊急搬送され、検査の結果、陽性が確認された。この警察官、数日前、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)を利用していた。
多分、表に出てはいないが「セックスワーカーが感染源!」というケースも多いのだろう。
日本ばかりではない。世界各地で「性風俗業のソーシャルディスタンス」が問題になっている。売買春が合法のドイツ。性風俗業は3月のロックダウン(都市封鎖)以降、多くの州では営業停止。業界団体はマスクの着用、店舗の広さに応じた客の人数制限などを条件に「営業再開」を求めているが、再開時期は決まっていない。
オランダでも「キスなし、向かい合った体位以外での行為だけ」というアイデアが飛び出しているそうだが、逆に「売買春を非合法に!」という意見まで出てきたらしい。
売買春が〝一応〟非合法になっている日本はどうだろう?
「夜の街」の感染急増に悩む東京都は業種別に新型コロナ感染防止策を掲載したチェックシートを作成。「対面が想定される場所での遮蔽(しゃへい)物の設置」「出勤前に検温」「シャンパンコールの自粛」などを実施した店に「感染防止徹底宣言ステッカー」を配布しているが、これは全て自己申告。某夕刊紙によると、ソープランドの入り口に「大丈夫ステッカー」が貼ってあるらしい。
堅いことは言いたくない。キャバ嬢にも、風俗嬢にも、ホストにも「生活」がある。でも、ここしばらくは「セックス産業」には近づかない方が良いぞ!
元々、男と女の痴情関係は(たとえ「商売」と言っても)時代を超えた「あやかし」の元凶なんだから(笑)。