サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2020年3月 8日号
日本の医学研究を「和泉・大坪の不倫コンビ」が仕切っている!
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牧太郎の青い空白い雲/757

本気で安倍首相は「新型コロナ」と闘うつもりなのか? 心配である。国内感染が広がり、日本で初の死者が〝発表〟された2月14日。首相動静を見ると、安倍さんは午後5時26分「新型コロナウイルス感染症対策本部」に顔を出したが、8分後に退席。「付き合い」程度だった。

その後、特別の用事もなく、午後6時32分、官邸を出て東京・内幸町の帝国ホテルへ。日本経済新聞社の喜多恒雄会長、岡田直敏社長らと会食した。この会食時間は2時間48分。官邸に寄らず、私邸に帰った。密談があったのか? 盛り上がったのか? 少なくとも「緊張感」はゼロである。

今、諸外国は「日本の対応」を批判している。『ニューヨーク・タイムズ』は「ダイヤモンド・プリンセス号」の一件で「日本政府は、公衆衛生の危機対応として『これをやってはいけない』見本として教科書に載るようなことをやっている」と痛烈に批判した。

検査態勢は進まない。その理由は民間検査にはカネが掛かる? 冗談じゃない。「桜」で大盤振る舞い。トランプ大統領の言いなりで「使い途(みち)ゼロ」の兵器を〝爆買い〟しているというのに......1人1万円程度の検査費をケチっている。10万人検査したって10億円じゃないか? 100億円使っても、国民の健康・安全が第一だ!

× × ×

安倍さんは国民の健康より、製薬会社の言い分を優先させる。改正医薬品医療機器等法(薬機法)で「条件付き早期承認制度」を法制化した。安倍政権は「製薬ベンチャー」寄りだ。容易に再生医療等製品の商品化ができれば、世界中の製薬会社が「金儲(もう)け」のために日本にやって来る。それが安倍さんの狙いなのだ。

『週刊文春』は〈安倍首相補佐官 海外出張でも公私混同の疑い 厚労省女性幹部とコネクティングルーム宿泊〉という記事を掲載した。和泉洋人・首相補佐官と大坪寛子・厚生労働省大臣官房審議官の2人が出張先のインド・ニューデリーの五つ星ホテルで〈内扉で繫(つな)がっており、自由に往来可能なコネクティングルーム〉に泊まっていた。記事は2人のラブラブ関係をすっぱ抜いたが、国民にとって「不倫云々(うんぬん)」はどうでもよい。問題はこの2人が(安倍首相の意向を受け)「日本の医学研究」を取り仕切っていることだ。

和泉補佐官は国土交通省の元技官。医学は素人。大坪審議官は内科医ではあるが、研究実績はゼロに近い。この二人がトップに座り、「金儲けの製薬企業」の味方になって、iPS細胞の臨床応用に慎重なノーベル賞の山中伸弥教授に「補助金は私の一存でどうにでもなる!」と脅す。

カネ、カネ、カネの安倍+和泉+大坪トリオに「新型コロナ」退治をまかせていいのだろうか?

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