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2021年10月 3日号
社会 藤井聡太が「8冠独占」する!? 少年時代の師匠が大いに期待
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 将棋の八大タイトル戦の一つ、「叡王戦」を制したのは藤井聡太(19)――。これまでに奪取したタイトル称号「王位」「棋聖」と合わせ、19歳1カ月で3冠を達成した。羽生善治九段(50)が1993年、最年少3冠になった時の22歳3カ月より3歳以上も若い。

 9月13日、藤井が叡王戦五番勝負の最終局で勝った相手は豊島将之叡王(31)。昨年まで6連敗した「天敵」だったが、今年は7勝2敗だ。筆者は対局後の記者会見で「短期間で勝てるようになった要因は?」と藤井に聞いた。

「内容的には押されている対局が多いので。ただ今年の朝日杯で初めて勝つことができて、王位戦、叡王戦に落ち着いて臨むことができたという面はあるのかなと」

 藤井はそう話した。

 少年時代に将棋を習った愛知県瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」の文本力雄さんにも聞いた。

「苦手な棋士を1人でも残したら真のトップにはなれません。聡太は去年、豊島さんに負け続けた悔しさをばねにしてよく頑張りました。聡太にとって、3冠は〝8冠独占〟への一里塚でしかありません」

 9月13日の記者会見でも、藤井はシリーズ4局目で豊島にタイに追いつかれた反省を何度も口にした。頭の中に「逆襲」があるのだ。

 藤井は同じ3冠の渡辺明名人(37)に大きく勝ち越している。豊島が勝てなくなれば藤井は「敵なし」になり、今年度内に最大6タイトルを取る可能性もある。1960年代の大山康晴十五世名人の全盛期や96年に7冠を独占(当時は叡王位はなかった)した羽生のような「藤井独り勝ち時代」に突入するのか。

 豊島は対局後、「強い棋士と指して課題が見つかった」と語った。10月からの竜王戦で4冠目を狙う藤井からどう死守するか。(粟野仁雄)

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