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2020年12月20日号
金融 コロナで主食米の需要は大幅減 全農・農林中金が日清製粉に出資
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全国農業協同組合連合会(全農)は11月17日、日清製粉グループ本社と業務提携した。

両者の発表によれば、〈人口減少や食の多様化に加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響から、主食用米需要は大きく減少〉している。転作を迫られる農家にとって、小麦は有望な作物だ。全農は小麦のほか、農畜産物についても日清製粉に安定供給する。

また、全農とJAグループの農林中央金庫は日清製粉株の1%を同日付で取得した。取得額はそれぞれ約26億円。

全農と農林中金は7月にも、ファミリーマートへの出資を発表している。伊藤忠商事がファミマを完全子会社化した後、全農と農林中金がファミマ株の4・9%を取得するという内容だ。全農が農家から買い取った農作物をファミマで販売するほか、伊藤忠のネットワークを生かして輸出を拡大する。農林中金の関係者は「全国津々浦々に毛細血管のように張り巡らされたファミマ1万6500店を活用して物流や配送のコスト削減も期待できる」とする。

全農を巡っては2016年、小泉進次郎・自民党農林部会長(当時)が改革を迫って論議になった。それに対して全農は17年、「主食米を農家から買い取り販売する比率を同年度の14%から24年度には70%に高める」などとする自主改革案を策定。農林水産省の資料によれば、17年産米は目標を達成し、18年産米も達成する見込みだ。

JAグループの「攻めの戦略」はさらに広がる可能性が高い。次の〝標的〟になる企業はどこか。

(森岡英樹)

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