阿木燿子の艶もたけなわ/303
歌に演技にお笑いにと、昭和・平成・令和を股にかけ、長きにわたって第一線で活躍する「とんねるず」の〝ノリさん〟こと木梨さん。絵画をはじめ、独創的な作風のアート創作でも知られています。阿木さんは、木梨さんの幅広い活動の源泉を、妻・安田成美さんへの「愛」と看破!?独自の夫婦観・家族観に、笑いが絶えない対談となりました。
◇うちは子供も犬も、全員ママ派。でもそういう環境が嫌じゃなくて。
◇最近はどんな作品をお作りになっているんですか?
◇段ボールで「妖精」達を。藤井フミヤに見せたら「1000個作りなよ」って(笑)。
阿木 先日はありがとうございました。楽曲の打ち合わせで拙宅にお越し頂いた折、素晴らしいお土産を頂戴して。
木梨 こちらこそ突然、お邪魔して、失礼しました。
阿木 頂いた絵、とても素敵(すてき)です。私の大好きな色調で、家宝にします。
木梨 家宝だなんて。あれは絵を描く時、床が汚れないように敷くビニールシートなんです。飛び散った絵の具の奇麗な部分を切り取って、そこに人の顔を描き足しただけなんです。
阿木 えっ、そうなんですか? じゃ、あの彩りは偶然の産物?
木梨 まあ、そんな感じです。
阿木 それにしても木梨さんは、フットワークが軽いですね。あの日も主人(宇崎竜童氏)が木梨さんと電話で話をしているなと思ったら、もう目の前に現れていて(笑)。
木梨 宇崎さんに素敵なメロディーを書いて頂いたので、その御礼を直接、言いたくて。
阿木 本当に電光石火(笑)。フットワークの軽さで言えば、去年出されたアルバム「木梨ファンク ザ・ベスト」も、楽曲依頼をほとんど御自分でなさったとか?
木梨 そうですね。基本的に知り合いにお願いするものですから。
阿木 曲を書かせて頂くに当たって、宇崎は凄(すご)く張り切っておりました。で、書き上げた後、「木梨さんに、新しい扉を開けてもらった気がする」としみじみ言っておりました。
木梨 光栄です。宇崎さんにお願いした時、「阿木さんに詞を書いて頂けないでしょうか」とお尋ねしたら「聞いてみるよ」と仰(おっしゃ)って下さって。ほら僕、阿木さんとは去年、伊藤蘭さんのコンサート終演後、楽屋前のエレベーターホールでお会いしたのが初めてで。
阿木 そうですよね。お互いにこの業界が長いのに、お会いするチャンスが無くて。でも、まったくそんな感じがしませんでした。
木梨 お二人にお願いできて、本当に嬉(うれ)しくて。宇崎さんから送られてきたデモ音源をひたすらマネージャーと聴きながら「やばいよ、やばいよね、これ」って言ってるんです。前回のアルバムとはまた違うチャレンジになりそうで、楽しみです。
阿木 「木梨ファンク」、かなり挑戦的な仕上がりですね。
木梨 そうですか? なんか、その筋の人達が、みんなで寄ってたかって作ってくれたというか。
阿木 その筋って、何かヤバそうな(笑)。
木梨 本当はみなさん、大先生なんですけどね。歌手のAIさんが、直接ディレクションしてくれたりね。
阿木 「木梨ファンク」のプロモーションビデオを拝見したら、AIさん、とても厳しいんですね。「もう1回やってみよう」みたいな。
木梨 本当にそうでした。それでも前回はみんな年下の大先生で、いよいよ今回は、大先輩の大先生(笑)。
阿木 大先輩って、嬉しいようなそうでないような(笑)。
木梨 だってお二人は、僕が子供の頃に、テレビで観ていた方達なので。
阿木 その感覚は分かります。だけど私達にしても同じことで、「あの『とんねるず』の木梨さんと今、話してる」って思いますもの(笑)。とんねるずって、歌手として何度かNHKの紅白歌合戦に出られてますよね。紅白では、いつも何か物を壊してませんでした?
木梨 丁度(ちょうど)、そういう「枠」が空いていたんでしょうね(笑)。
阿木 もともと、とんねるずは、お笑いのコンビであり、アイドル的要素も強く、歌い手でもあって。
木梨 今では当たり前ですが、テレビでお笑いをやっている人間が全国をコンサートツアーで回るとか、「ザ・ベストテン」みたいな歌番組に出るとか、若い時はいろいろやってましたね。