阿木燿子の艶もたけなわ/295
今回のゲストは、阿木さんと、そして夫の宇崎竜童氏とも長年親交がある、鳥羽一郎さん。「日本で一番海が似合う歌手」らしい、芯の通った骨太なお話と、チャーミングな笑顔が印象的でした。昭和大衆歌謡界の大看板である作曲家・船村徹氏の愛弟子として見た、偉大なる師匠の逸話と生き様にも、注目です。
◇後世に残すべき歌というものがある。それを伝えるのが使命だと思っています。
◇〝詞を大事にする〟というのも、船村さんの教えのひとつだったとか?
◇「歌はメロディーよりも歌詞が大事」。今もそれを守って歌わせてもらってます。
阿木 宇崎が、よろしく言っておりました。
鳥羽 にいさん、忙しいみたいですね。
阿木 去年、今年とちょっと俳優の仕事が続いておりまして。でも元気です。
鳥羽 そりゃ、良かった。
阿木 鳥羽さんは宇崎のことを、〝にいさん〟と呼んで、親しく付き合って下さってますが、宇崎のどこを気に入って下さったの?(笑)。
鳥羽 にいさんの作る曲が好きなんです。それと音楽的センス。ほら、一緒に「時代の歌」(名曲のカバー盤シリーズ)なんかをやったじゃないですか。
阿木 あれ、とても良い企画でしたね。
鳥羽 というような話で、今日は良いんですよね。改まった話は無しにしましょう。
阿木 はい、私もその方が(笑)。宇崎を通じて、私、鳥羽さんに大変、親近感を抱かせて頂いているんですが、こうして改めてお話しするとなると、妙に照れ臭いです。妻にとって、夫の友人というのは距離感が微妙で。そうです、あの企画、最高でした(笑)。なんて、いきなり取って付けたようで、ごめんなさい(笑)。
鳥羽 今じゃ、昔の名曲をカバーするのをみんなやってますが、にいさんと自分は、その先駆けだったんじゃないかな。
阿木 そうですよね。あのシリーズには、演歌からJポップまで入っている。ただしアレンジはかなり大胆で、演歌をジャズ風にしたりね。鳥羽さんが歌う「夜霧のブルース」、ジャジーで素敵(すてき)でした。