サンデー毎日

対談
艶もたけなわ
2020年1月19日号
白倉伸一郎 東映株式会社取締役テレビ第二営業部長
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阿木燿子の艶もたけなわ/284

今回のゲストは、東映で数々の人気特撮番組を制作してきた名プロデューサー、白倉伸一郎さんです。東映特撮と言えば、阿木さんとも縁深かった石ノ森章太郎氏が原作の人気番組が有名。石ノ森氏との思い出や、白倉さんが受け継ぎ、さらに先を目指す「現代のヒーロー」像まで、かつて「変身!」と叫んだ全ての人、必読の対談です。

◇石ノ森先生への〝親孝行〟なんてまだまだ、できていないんですよ。

◇作り手としては、制約を課せられた方が燃えてきますよね。

◇そうですね。できる前は「好き勝手、言いやがって」と思いますけど(笑)。

阿木 私、東映さんのことは、昔から近しく感じさせていただいておりまして。人情に厚いというか、男気のある社風が好きなんです。白倉さんは、もともと〝東映至上主義者〟(笑)。

白倉 そうですね。映画会社では受けたのは東映だけでした。

阿木 入社試験で上層部の方達に仰(おっしゃ)った言葉が、今や伝説だとか。

白倉 岡田茂(当時社長)らが並ぶ役員面接で、「君はなぜこの会社を?」と聞かれて、「松竹さんや東宝さんよりも、おとなしくないからです」と答えました。

阿木 緊張しませんでした?

白倉 岡田茂や渡邊亮徳(よしのり)(当時専務)のことは、入社前から知っていたので、ある程度は覚悟はできてました。でも会社に入ったら、似たような猛者がゴロゴロいたので、驚きましたけど(笑)。

阿木 そういう社風の自由さ、豪快さとは別に、作品に魅力を感じて東映を志望されていたんですね。

白倉 どこか破綻しているというか、小さくまとまったものをやらないところが好きで。「トラック野郎」シリーズでも、道を走っていればいいのに、なぜかトラックが土手を駆け下りていくとか(笑)。

阿木 私が今日一番お聞きしたいのは、石ノ森章太郎先生のことなんです。生前、私、先生と親しくさせて頂き、お食事を御馳走(ごちそう)になったりしてと、とても親しくさせて頂いたんですけど、先生のプライベートな面しか存じ上げなくて。だから、「仮面ライダー」などの原作者としての、お仕事の場での石ノ森先生のお話を伺いたいんです。私が知っている限りでは、世の中にこんな人格者がいるのかというくらいの方だったんですが。

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