サンデー毎日

対談
艶もたけなわ
2020年1月 5日号
パラダイス山元 マンボミュージシャン・公認サンタクロース
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阿木燿子の艶もたけなわ/283

クリスマスシーズンにあわせ、今回のゲストはミュージシャンにしてアジア人唯一の「公認サンタクロース」として活躍する、パラダイス山元さん。阿木さんも興味津々、共感しきりだったのですが、もう一つの顔、飛行機に乗りまくる「プロ搭乗客」としての経歴に話がおよぶと、阿木さんも圧倒される、物凄いエピソードが続々と......。必読です。

◇22年も公認サンタをやっていますが、まだまだ新米みたいなものです。

◇世界サンタ会議に出る際は、家からその衣裳で行かなくちゃいけないとか?

◇飛行機の中でも、脱げない決まりなんです。

阿木 うわっ、サンタさん! やっぱり着ていらっしゃるんですね、そのお衣裳。

山元 はい、今日は家を出る時から、この格好です。

阿木 山元さんはアジア圏で唯一の、グリーンランド国際サンタクロース協会公認のサンタさんなんですよね。

山元 私、とくにやりたかったわけじゃないんです。子供の頃、クリスチャンでもないのに毎年、両親がクリスマスを丁寧にやってくれていたので、クリスマスが身近だったんです。それで気づいたら、サンタクロースになっていた感じですね。

阿木 幼い頃の環境って、大きいですね。

山元 子供の頃の我が家は、クリスマスの日の朝、目を覚ますと、枕元にプレゼントが置かれてて、隣の両親の枕元にも銀の靴が置いてあって、という感じでしたね。

阿木 素敵(すてき)ですね。そういうことをして下さる、ご両親って。山元さんはいくつくらいまで、サンタクロースは居ると信じていらしたの?

山元 私は結構長くプレゼントをもらっていたので。だから薄々、親だと勘づいていても、そこはね。

阿木 ご両親の前では、騙(だま)された振りを?(笑)。

山元 実は北欧の教育がそれなんです。スウェーデンやデンマークでは小学生になっても「サンタクロースなんか居るはずがない」という子供が少ないんです。

阿木 デンマークと言えば、山元さんは新婚旅行でも行ってらっしゃるんでしょう? それも初の海外旅行。北欧にとくに思い入れがあるとか?

山元 いや、まったくの偶然です。でも、そう考えると、人生で起こることはすべて、自分の思いだけではなく、誰かにチェスの駒のように、動かされている気がします。まさかこうして、公認サンタを22年も続けることになろうとは思ってもいませんでした。

阿木 サンタさんの活動って、まったくのボランティアだとか?

山元 そうなんです。もともと私はボランティアスピリットがゼロどころか、マイナスな人間だったんです。例えば誰かから「山元さん、武道館でチャリティーコンサートをやるから来て下さい」とか言われても、「ただでパーカッションなんか叩(たた)けねえよ」と言って、すべてお断りしていたんです。

阿木 人って、変わるものですねー(笑)。

山元 サンタをやって2~3年目に、猛烈に辞めたくなったんです。こんなお金にならないことを、いつまでやってても仕方がない。ちゃんと働かなきゃって。

阿木 ボランティアの割には、サンタさんになると、いろいろ拘束があるんでしょう?

山元 相当ありますね。人生の3分の1は拘束されます。

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