サンデー毎日

対談
艶もたけなわ
2019年10月 6日号
森口瑤子 女優
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阿木燿子の艶もたけなわ/270

17歳の時、映画「男はつらいよ」でデビュー。現在、ドラマ・映画・舞台・朗読劇......と、幅広い分野で活躍中の女優・森口瑤子さん。おっとりとした雰囲気ですが、とんねるず・木梨憲武さんの追っかけ経験など、アクティブな一面も。女優を目指したきっかけや、脚本家である夫・坂元裕二さんとのなれそめについて伺いました。

◇若い頃は自分を特徴づけるものが欲しくて、習い事をたくさんしていました。

◇木梨(憲武)さんの場合は、一方的に森口さんがファンということで。

◇木梨さんの公開のレギュラー番組がある時は、楽屋口で出待ちをしていました。

阿木 森口さんと私、名前が同じ "ようこ"。でも字が違っていて、森口さんのは、亡くなられた作家、森瑤子さんと一緒ですね。

森口 恐れ多くも、そうです。

阿木 私、以前から思っていたんですが、森瑤子さんの小説に出てくる女性って凄(すご)く格好いい。セクシーで、フェミニンなんだけど、啖呵(たんか)のひとつやふたつ、切れそうで。森口さんにそういう役がお似合いになるんじゃないかなって。

森口 森瑤子さんの小説の主人公は、私も大好きです。

阿木 女優さんになられて、何年になりますか?

森口 デビューが17歳で今、53歳なので、えーと?

阿木 私も算数が弱いので、えーと?(笑)。

森口 36年ですね(笑)。自分でも、もうそんなに経(た)ったのかと。でも、その割に何も変わっていないので、びっくりしています。

阿木 変わっていないというのは、どういうところ?

森口 駄目なところは駄目だし、できることは、デビューしたての頃からできてたしと。先日、ちょうどそんな話を俳優の内藤剛志さんとしていたんです。「それって、演技でも同じだよね」って。

阿木 でも、森口さんは今や、ベテランの演技派女優さん。

森口 とんでもない、私、演技派じゃないです。

阿木 若い頃は、美人過ぎる女優さんって、言われてたでしょう?

森口 私の場合、個性がないということだと思います。

阿木 でも美人って、大変な個性だと思いますけど。

森口 良くも悪くも、役にのまれてしまうんです。地味な制服を着た事務員さん役だったら、もうそれでしかなく、森口瑤子が出せない。で、あれ、誰が演じてたのかしら、ってなっちゃう。

阿木 でも、役に自然に入っていけるということで、それも立派な個性じゃないかしら。年齢と共に幅広い役のオファーが増えているのでは?

森口 確かに年を重ねて、私自身も多少はそういうのも個性のうちと思えるようになってきてはいます。でも若い頃は何か自分を特徴づけるものが欲しくて、習い事をたくさんしたりしていましたね。

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