ダウンタウンの松本人志(61)が、飲み会で女性への性加害を報じた『週刊文春』の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文藝春秋社を相手取って5億5000万円の損害賠償を求めた訴訟は長期化すると予想された。ところが急転直下、11月8日、松本が訴えを取り下げ、裁判は終結したことがわかった。
「松本の訴え取り下げに文春側も合意、裁判はなかったことになったのです」と言うのは芸能ライター。
「松本は公式コメントで〝松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました〟とあります。これは、元週刊文春編集長が今年3月のYouTube番組で、刑事事件として見た場合、被害者の証言以外に〝客観的なそれを裏付ける証拠もない〟とコメントしたことに松本側は自信を持った。これ以上、裁判を続けても不毛と思ったと見られています」
それが事実とするならば、記事は性的行為を強要されたと主張する女性らの証言で構成されているだけで、裏付けとなる物的証拠はなかったことになる。
「8月14日に予定された第2回弁論準備手続きに備え、文春側の弁護士は〝証拠は20個ほど提出した〟と語っていましたが、その中に女性らを取材した記者の取材メモがあったようです。ところが、女性の一人が〝性的行為強要の認識はなかった〟と知人に語っていたことが一部メディアで報じられたのです」(女性誌記者)
文春側は女性らの子細な証言で裁判に挑むつもりのようだったが、結局、松本の提訴取り下げに同意した。いずれにしろ、コトの〝真実〟はヤブの中だ。
今後、注目されるのは松本のテレビ復帰の行方だ。松本自身、「一日も早くお笑いがしたい」と語っていただけに早期復帰の噂(うわさ)も流れている。
所属の吉本興業関係者は「活動休止中、自らプロデュースしたAmazonプライムやネットフリックスの配信料や再放送のギャラが入っていますから、生活には困らない。復帰するなら来年早々と思います」と言う。
松本が企画・プロデュースするAmazonプライムビデオで配信されたお笑いドキュメンタリー「ドキュメンタル」シーズンが世界約20カ国で大ヒットしている。
「現在、日本ではNetflixのオリジナルドラマ『地面師たち』や『極悪女王』が大ヒットしていますが、松本の『ドキュメンタル』は世界でヒット。松本には莫大(ばくだい)なギャラが支払われていると囁(ささや)かれています」(ネットニュース関係者)
すぐに復帰する必要に迫られてはいないようだが、松本は提訴取り下げのコメントで「不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいたとすれば率直にお詫(わ)びする」などと語っている。
「松本のセコい遊びで女性が不快な思いをしたのは事実です。大物芸人としてのダメージは大きい。これをどう払拭(ふっしょく)するか? 時間はかかるでしょう」(前出のバラエティー番組関係者)
テレビ以外にも吉本のホームグラウンド、大阪の「なんばグランド花月」で浜田雅功と「ダウンタウン」として年明けに劇場復帰との情報もある。出身地の大阪で蘇(よみがえ)るのか? 要注目だ。
(本多圭)
♢ほんだ・けい
1948年、東京都生まれ。芸能取材歴30年以上。週刊誌記者などを経てフリーに。芸能、医療分野などを手がける。著書に『スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など