毎年、恒例になった日本テレビ系のチャリティー番組「24時間テレビ」――。
6月20日、日テレは朝の情報番組「ZIP!」で、8月31日と9月1日に放送予定の「24時間テレビ47」のテーマを発表した。その番組の中で、24時間テレビの総合司会を務めることになった水卜麻美アナウンサー(37)が、昨年の寄付金着服問題を謝罪したことで物議を醸している。
「24時間テレビは半世紀近くもの間、『愛は地球を救う』をテーマに放送してきましたが、昨年11月に系列局の社員による寄付金着服問題が発覚。それを受けて、チャリティーの本質を見直すため、テーマを『愛は地球を救うのか?』に変えたと発表しました。番組の中で、水卜アナは着服問題について説明して視聴者に謝罪。すると視聴者から〝なんで、水卜アナが謝るの?〟と批判が殺到し、再び放送続行に厳しい声が出ているのです」(放送ライター)
昨年秋、日テレ系列の山陰ローカル局「日本海テレビ」の元幹部が、2014年から10年にわたって「24時間テレビ」の寄付金など約1118万円を着服していたことが明らかになった。
「24時間テレビはチャリティー番組です。着服が発覚した時点で日テレは打ち切りを決断すべきだった。しかし、日テレは不正防止対策として、地方局31社で構成される公益社団法人・24時間テレビチャリティー委員会による内部調査で、募金活動にかかわった計283人の聞き取り調査を実施。〝新たな着服などの不正事例は確認できませんでした〟として再発防止策を発表したのですが......」と言うのは、大手プロ役員。
「不正防止対策といいますが、結局は24時間テレビの継続を前提に設置されたのではないか。外部の弁護士を入れたといいますが、身内の不正を身内が調査したようなもの。何の意味もありませんよ」と手厳しい。
人の善意を裏切った寄付金着服問題で、24時間テレビに対して厳しい声がやまないにもかかわらず、冒頭のように日テレは早々と番組続行を明らかにした。
「朝番組『ZIP!』で水卜アナは、〝皆様の信頼を裏切ってしまう行為です。改めて、心よりお詫(わ)び申し上げます〟と謝罪しました。対してネット上では、〝なぜ日テレの社長ではなく、水卜アナが一人で謝罪するのか?〟などと痛烈な批判が巻き起こったのです。たしかに経営陣が沈黙しているのは不可解ですね」(前出の放送ライター)
しかし、日テレグループの関係者は「日テレ社員の多くが、24時間テレビを打ち切る気持ちはないのでしょう」と明かす。
「日テレは今年、ドラマの『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんが自死した問題で責任を問われ、報告書を発表しました。その内容について、〝当事者意識に欠けている〟と批判を浴びました。寄付金着服問題についても、社員の当事者意識が欠如しているとしか思えません」
今年の「24時間テレビ」は、旧ジャニーズ事務所との過去の蜜月関係も問題視され、メインパーソナリティーの問題も難航しているという。日テレは、もう一度打ち切りの是非を再考すべきではないか。
(本多圭)