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2024年2月11日号
芸能 「松本人志VS.文春」の裁判闘争 お笑い界に沈痛ムードが漂う
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 ダウンタウンの松本人志(60)の性加害疑惑でお笑い界は沈痛ムードが充満している。

 スピードワゴンの小沢一敬(かずひろ)が松本をめぐる『週刊文春』報道において、飲み会で女性を集めた〝仲介〟扱いに「何ら恥じることはない」と言っていたものの、一転して芸能活動の自粛を発表した。小沢の活動自粛ではしごを外された格好の松本だが、1月22日に名誉を毀損されたとして文春の発行元・文藝春秋に対し、損害賠償を求める提訴をした。しかし、松本のレギュラー番組のスポンサー離れは止まらない。

「ダウンタウンとしての番組は相方の浜田雅功(まさとし)(60)が一人で踏ん張る形で継続。松本の番組は代理を立てて継続して行く予定ですが、今回の問題でお笑い芸人たちの雰囲気は暗い。文春は毎号記事を掲載する一方、独自取材しないメディアが便乗して松本に批判的な記事を掲載しています。その結果、松本の90歳になる実母や小学校高学年になる娘を追い詰めています」(吉本関係者)

 そうした中、松本を擁護する芸能人も現れた。森進一と森昌子の三男でロックバンドのボーカルのHiroと、情報番組で辛口のコメンテーターを務める落語家の立川志らくだ。Hiroは1月11日に公開された自身の動画で「松本さんの肩持つとか一切ないけど」と言いつつ、「もう完全に(松本が)はめられたんだとしか言いようがない。かわいそう」と同情。志らくは自身のYou Tubeチャンネルで16日、「お笑い芸人たち、自分に火の粉がかかるのが怖い。だけどさ、みんなどれだけ松ちゃんにお世話になってきたの。ダウンタウンに憧れてこの世界に入ってきた人もすごくいるじゃないの。そりゃ炎上するかもしれないけど、被害者女性たちのことを考えると食いとどまるのが正しい人間なのかもしれないけど。でも応援したって悪くないんじゃないのか」などと語った。

 だが、文春の相次ぐ報道で、過去に松本が後輩芸人に素人女性を集めさせて〝飲み会〟を行っていたことはもはや否定できない。

「飲み会で女性を蔑視していたとの疑惑は消えない。昨年の『M―1グランプリ』の関西地区の視聴率は28・0%。瞬間最高視聴率は32・2%とNHK紅白歌合戦を超えた。今のお笑いブームは女性が3分の2を占める。裁判結果に関係なく、松本に対して女性のお笑いファンは拒絶反応を示しています」(お笑いライター)

 文春は第3弾の報道で、飲み会に使用されたホテルの室内写真や、入手した〝女性セレクト指示書〟を掲載したが、それ自体は性被害の物証にはなっていない。松本も徹底抗戦の構えを崩さないだろう――。しかし真相はどうであれ、今後、松本の〝お笑い〟に違和感が持たれることは否めない。

 お笑い界の重鎮・ビートたけしは、レギュラー番組で松本について「遊び方がせこいよ」と苦言を呈した。松本の電撃引退も噂(うわさ)されていることから、お笑い界には沈痛ムードが漂っている。果たして、騒動が収まる日は来るのか。

(本多圭)

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