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2023年11月12日号
芸能 大晦日"ガキの使い"見送りで日本テレビはどうするのか?
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 3年前までNHK紅白歌合戦の〝脅威〟だった日本テレビ系のお笑い番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ」が、今年も見送りになりそうだ。番組見送りは3年連続ということになる。

「今年は旧・ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)に所属するタレントが、ジャニー喜多川さんの性加害問題の影響で紅白歌合戦の出場が絶望視されています。日テレとしては〝ガキの使い〟を復活させて、紅白の視聴率を抜く絶好のチャンスだったのですが、結局見送りになった。日テレの大(おお)晦日(みそか)特番は期待できそうもありません」(お笑いライター)

〝ガキの使い〟は2006年から15年間、日テレの大晦日特番として放送され、10年から11年連続で民放1位を記録。NHK紅白に肉薄していた。しかし、2年前にBPO(放送倫理・番組向上機構)が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」に関する番組の審議入りを発表したことで、休止したとされる。

「放送休止はBPOの審議入りが原因というより、ダウンタウンの松本人志(60)が、放送前に番組内容がリークされたことなどでモチベーションが下がったことが大きな要因でした」(吉本関係者)

〝ガキの使い〟に代わって放送されたのが、ナインティナインと東野幸治をメインMCにしての「笑って年越し!世代対決 昭和芸人VS平成・令和芸人」。だが、テレビ朝日系の番組「ザワつく!大晦日一茂良純ちさ子の会」に2年連続で惨敗。まさに笑っている場合ではなくなった。

「今年は松本も相方の浜田雅功も還暦を迎えたことで、〝ガキの使い〟を復活させる動きが活発化した。BPOも今年、〝予見できる痛みは対象と考えていない〟という意見書を提出したことで、〝ガキの使い〟は問題ないと判断された。そんな中、ジャニーズ性加害問題でテレビ界が激震。中でもNHK紅白に大きな影響が出た」(前出の芸能ライター)

 NHKの稲葉延雄会長は旧ジャニーズ事務所の所属タレントが紅白歌合戦に出場する可能性について「これまでの方針に変わりはない」と出演者ゼロの見解を示したのだ。

「そこで今年は民放が紅白の視聴率を抜く歴史的なチャンスが訪れる。日テレは〝ガキの使い〟の復活を検討したのですが、今年も見送りになったのです」(スポーツ紙記者)

 では、日テレが〝ガキの使い〟に代わって、どんな特番をぶつけるか注目されている。

「実は番組見送りについて、正式発表を前に一部スポーツ紙が見送り情報をスッパ抜いた。それで日テレと吉本との信頼関係が悪化しています」(前出のお笑いライター)

〝ガキの使い〟が見送りになって日テレは他の番組をぶつけることになるが、特番でお笑いをやるならコンセプトを持つ吉本の協力なしにはできない。前出の吉本関係者は「この時期にまだ具体的に決まっていない。どうなるんでしょうね」と不安を隠せない。

 紅白を抜くチャンスを逃さないために、日テレには〝ガキの使い〟の再考を促したい。

(本多圭)

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