日本テレビ系の国民的お笑い番組「笑点」の大喜利メンバー、林家木久扇(85)が来年3月に番組を引退すると発表したのを機に、世代交代が囁(ささや)かれている。
「大喜利メンバーの最高齢の木久扇は8月27日に放送された日テレの『24時間テレビ』で卒業を発表。同じ大喜利メンバーの三遊亭好楽と三遊亭小遊三も来年3月には77歳で降板が噂(うわさ)される。3人の後継者争いは熾烈(しれつ)をきわめると思います」(演芸ライター)
「24時間テレビ」で、木久扇は「芸というものは次の世代にバトンタッチしなくてはいけません」と語った。日テレ関係者は「木久扇の発言は高齢者の好楽、小遊三の肩も叩(たた)いたような発言でした」と言う。
昨年9月末に肺がんで死去した六代目・三遊亭円楽さんの後任として、春風亭一之輔(45)が、笑点の新メンバーに選ばれた。それ以外の若手候補として名前が挙がっていたのは、昨年真打ちに昇進した美人落語家の蝶花楼桃花(42)、笑点メンバーの好楽の息子で五代目・円楽さんの弟子である三遊亭王楽(45)、落語家ユニット「成金」のリーダー格の柳亭小痴楽(34)、司会の春風亭昇太の弟子、春風亭昇也(41)。それに、笑点の初代司会を務めた故・立川談志さんがレギュラー陣との関係が悪化して降板して以来、番組から距離があった立川流の立川志の輔の弟子、立川晴の輔(50)も2019年に笑点にゲスト出演したことで候補に挙がっている。
「3人枠とすると最有力候補には、〝ポスト円楽〟として一之輔の次に名前が挙がっていた蝶花楼桃花。笑点初の女性落語家(レギュラー)として注目されています。また、木久扇の息子、二代目木久蔵(47)にバトンタッチとの情報もありますが、木久蔵を選ぶと、好楽が〝うちの息子の王楽も〟ということになりかねない」と言うのは演芸ライター。
「番組としては前例を作りたくありませんから、木久蔵と王楽が消える。残り2枠が誰になるかです」(同)
お笑い番組制作会社プロデューサーは「笑点はあくまでバラエティー番組ですから、落語の上手(うま)い下手は関係ない。出演者は軽妙で即応できる人が求められる。それでいて、落語家として知名度があり、視聴者を惹(ひ)きつける力がなければならない」と言う。
「その点、落語が上手く、以前、大喜利に出演経験がある立川晴の輔。それに若者に人気がある柳亭小痴楽が有力候補に挙げられています」(同)
大喜利メンバーの世代交代に伴って、司会を務める春風亭昇太の降板も噂される。
「新メンバーに選ばれても辞退すると言っていた一之輔が笑点のレギュラーを承諾したのは、〝次の司会者に〟との密約があったという見立てもある。それが本当なら来年3月、昇太に代わって一之輔が司会になるかもしれません」と言うのは前出の演芸ライター。
「小遊三が降板、昇太も降りた場合、昇太が会長を務める落語芸術協会は一人もいなくなる。そのため昇太の弟子の昇也も候補に浮上しています」
大喜利メンバーの後継者争い。その情報戦は熾烈をきわめそうだ。
(本多圭)