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2023年4月 2日号
芸能 「堺雅人とタモリ」の進退 「芸能界の地殻変動」の兆しか
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 TBS系の人気ドラマシリーズ「半沢直樹」で大ブレークした俳優の堺雅人(49)が、7月放送予定のTBS系の日曜劇場枠ドラマ「VIVANT」(ヴィヴァン)の主演に抜擢(ばってき)。共演は阿部寛、役所広司、松坂桃李、二階堂ふみといった豪華布陣だけに期待が大きい。

「堺は昨年末、デビュー時から所属した大手プロ『田辺エージェンシー』から独立。円満退社でなかったことから、今後の芸能活動が危ぶまれていました。しかし、TBSはドラマ主演に抜擢した。一方で、田辺の〝顔〟とも言われるタモリ(77)。テレビ朝日系の長寿バラエティー番組『タモリ倶楽部』が3月末で打ち切り。なにやら時代の流れを感じます」(大手芸能事務所役員)

 田辺といえばその昔、一世を風靡(ふうび)したグループサウンズ「ザ・スパイダース」のドラムを担当していた田邊昭知氏(84)が66年に「スパイダクション」を設立。73年に社名を「田辺エージェンシー」に変更し、76年にタモリをメジャーにした。すでに所属していた堺正章(その後、独立)に加えて由紀さおり、研ナオコなどが所属して急成長した。

「また、2011年には日本テレビを退社した女子アナウンサーの夏目三久が所属しました。社長の田邊氏は、日本音楽事業者協会の会長を務めたこともあって、芸能界の実力者です。夏目の才能を見抜いた田邊氏のマネジメントで夏目は蘇(よみがえ)ったといわれています」と語るのは、夕刊紙記者。

「ところが、16年に『日刊スポーツ』が夏目とお笑いタレント・有吉弘行との熱愛をスクープ。田邊氏は事実無根と激怒した。『日刊スポーツ』の記事は幻のスクープとして収まったのですが、その後も夏目と有吉の交際は続き、二人の関係を田邊氏が認めたことで夏目は有吉と結婚。21年9月に芸能界を引退しました。田邊氏のショックは計り知れません」(同)

 その約1年後――。今度は田邊氏が育てた堺雅人が独立を画策、昨年末に退社した。円満独立かと見られていたが、今年1月、田邊氏は『週刊新潮』の取材に「もう一諸に仕事なんてできないよ」とコメントしたことで、円満退社ではなかったことが報じられた。

「その取材で、田邊氏はTBSドラマについても『TBSと堺君で直接やってくれとなっていて、うちは関わってません』と述べていた。周囲では堺の今後の活動に支障が出るのでは、と見られたのですが、結果としてTBSは堺を選んだ」(ドラマ関係者)

 そして、先述したようにタモリも40年間続いた「タモリ倶楽部」が3月いっぱいで打ち切り。タモリの残るレギュラー番組は、テレ朝の「ミュージックステーション」とNHKの「ブラタモリ」の2本。

「タモリは77歳と高齢ですからこれ以上、仕事を増やすことは難しい。田辺には実力派女優の永作博美や他にも新人女優が何人かいますが、ブレークするまでには時間がかかる。老舗プロの正念場でしょう」(前出の大手芸能事務所役員)

 これらの動きは芸能界の地殻変動の兆しだろうか。目が離せない。

(本多圭)

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