サンデー毎日

スポーツ・芸能
News Navi
2023年3月19日号
芸能 「27時間テレビ」に吉本芸人 果たしてフジテレビを救えるか
loading...

 打ち切りが噂(うわさ)されていたフジテレビ系の大型特番「FNS27時間テレビ」がこの夏、約4年ぶりに復活する。MCには今、お笑い界で最も勢いがあるといわれる吉本興業所属の「千鳥」「かまいたち」「ダイアン」の3組が抜擢(ばつてき)された。

「2019年はビートたけしと関ジャニ∞の村上信五がMCを務めたのですが、惨敗。昨年6月にフジの新社長に就任した、港浩一氏(70)が3組を直々(じきじき)に指名したのです」(フジ系列の制作会社関係者)

 大手プロ役員は「フジの番組は低視聴率が続き、ここ数年で女子アナや社員の退職が続出するなどモチベーションは下がりっぱなしです。社外秘の番組情報も漏れたほど。港社長の狙いは、3組のお笑いコンビで27時間テレビを成功させ、社員の士気を取り戻すことにあるのでは、と言われています」

 27時間テレビは、日本テレビの夏の恒例となったチャリティー番組「24時間テレビ 愛は地球を救う」に対抗する形で1987年にスタート。日テレと違って、長時間のバラエティー番組ということもあり、視聴率は日テレに差をつけられ、何度も打ち切りが囁(ささや)かれた。

「しかし、広告収入が入るために打ち切れませんでした。27時間テレビは毎年夏に放送されるのですが、4年前の19年は11月2〜3日にかけて放送された。MCは17年からタッグを組んできたたけしと村上のコンビ。3年ぶりの生放送でしたが、平均視聴率は5・8%と歴代最低を記録してしまった。そのため打ち切り説が現実味を帯びたのです」(フジの制作スタッフ)

 打ち切りが噂された27時間テレビだが、20年はコロナ禍で放送中止。その間、女子アナが次々に退社、また昨年には50代社員に「退職金割増、最大1億円」という早期退職者制度を発表したところ、看板プロデューサーをはじめ約100人が応募。もはや〝事件〟として報じられたほどだ。

「フジは、定年まで勤めるには魅力がない会社ということでしょうか。番組企画もどこかで見たようなものだったり、ユーチューブをまねたようなものもある。その結果、アンガールズの田中卓志が初MCを務めている『呼び出し先生タナカ』が、フジの人気番組だった『めちゃ×2イケてるッ!』のパクリだという疑惑まで報道されました。これでは、社員の意欲が下がってもおかしくないでしょうね」(大手お笑いプロのマネジャー)

 フジは昨年6月、系列の共同テレビの社長を務めていた港氏を新社長に抜擢。港氏はフジの全盛期の「夕やけニャンニャン」や「オールナイトフジ」にかかわり、プロデューサーとしては「とんねるずのみなさんのおかげでした」を担当。フジのバラエティー番組の旗手とさえ言われた。

「港社長は勢いのある吉本芸人を起用して起死回生を図り、社員の士気を上げようとしているのだと思いますよ。これは大勝負でしょう」(前出の系列制作会社関係者)

 日テレの〝愛は地球を救う〟ではないが、吉本のお笑いコンビの3組がフジを救えるか――。この夏に注目したい。

(本多圭)

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム