大(おお)晦日(みそか)をもって歌手活動の無期限休養に入る演歌界のスーパースター・氷川きよし(45)―。だが、所属事務所社長の暴行事件発覚で、来年以降に移籍、独立するとの情報が流れている。
「歌手活動の無期限休養といっても、氷川は休んでいられない性格なので、早期復帰すると見られています。以前から氷川は事務所の社長とそりが合わず、移籍や独立の噂(うわさ)があった。社長の社員に対する暴行事件が『週刊文春』に報じられたことで現実味を帯びてきました」(音楽ライター)
氷川が所属する長良プロダクションで、〝氷川育ての親〟と言われるのは長良じゅんさん(故人)。山川豊、田川寿美、水森かおり、氷川らを育てたことで〝演歌界のドン〟と呼ばれたが、2003年に長男・神林義弘氏に社長の座を譲り、長良グループの会長に就任した。しかし12年5月2日、ハワイのゴルフ場で不慮の事故で死去、享年74だった。東京・青山葬儀所で行われた本葬には約5000人の弔問客が訪れたというから、人望の厚さが窺(うかが)える。
「社長に就いた長男の義弘氏は日本音楽事業者協会の常任理事を務めていますが、父親の長良じゅんさんと違って社交的ではない。人見知りするタイプ。しかし、会社内ではワンマンで通っています。要するに内弁慶なんです」と言うのは、中堅プロダクションオーナー。
「義弘社長は芸能関係者から絶大な信頼を得ている『田辺エージェンシー』の田邊昭知社長の下でマネジメントを修業。マネジャーとしては問題がないと思っていたのですが、父親が育てた氷川とはそりが合わなかった。氷川は〝社長は愛情がないから〟と愚痴っていましたからね。いずれ他の事務所に移籍、独立すると囁(ささや)かれていました」(同)
一方で、社長自身も超ドル箱の氷川がいつ独立するか、不安を抱えていたという。そんな折、幹部社員に対する暴行騒動が起きた。その顛末(てんまつ)が『週刊文春』に報じられた。
「社長室で、義弘社長が広報を担当する幹部社員のカネの使い込みを疑い暴力を振るったことで救急車や警察が出動する騒ぎになった、と文春が報じました」と語るのは夕刊紙記者。
「暴行を受けたX氏は、長良会長の運転手兼秘書を務め、義弘社長になってからもメディアに対して義弘社長の悪評の火消しに奔走。長良プロ一筋でした。カネの使い込みをするような人物ではない。彼は暴行事件を公にしないと口止めされて、9月いっぱいで退社。他にも3人が社長に愛想を尽かして退社しています」(同)
筆者はX氏に真相を何度も問いただしたが、「何も言わないことになっている」と頑(かたく)なに返答を拒否。
「騒動の嵐が過ぎるのを待っている義弘社長は、音事協の常任理事。芸能界の正常化のためにも説明責任がありますよ」(大手プロ役員)
芸能界の水面下では、社長と氷川の関係悪化が明らかになって、氷川の争奪戦が展開されている。
「エイベックスに移籍という情報もありますが、氷川は芸名の名付け親、ビートたけしに可愛がられている。たけしの事務所に移籍との仰天情報もある。いずれにしても引く手数多(あまた)でしょう」(芸能プロモーター)
今後、氷川の言動に目が離せない。
(本多圭)