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2022年10月 9日号
音楽 故レナード・コーエンへ敬意 大御所が彩るアルバムが発売
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 シンガー・ソングライター、詩人として長年活躍、2016年に82歳で亡くなったレナード・コーエンに捧げるアルバム「ヒア・イット・イズ:トリビュート・トゥ・レナード・コーエン」(ユニバーサルミュージック、税込み2860円)が、10月にリリースされる。

 いぶし銀の魅力を放ってきたコーエンは1934年カナダで生まれ、マギル大で学び詩集を出版。まずは詩人、小説家として活動するが、のちにシンガー・ソングライターを目指し米国に移った。この頃「青春の光と影」で知られるジュディ・コリンズがコーエンの作品「スザンヌ」をカバーしたところヒット。これがボブ・ディランのプロデューサーのジョン・ハモンドの目に留まったことがきっかけで、67年に「レナード・コーエンの唄」でデビューした。

 当初はそれほど注目されなかったが、徐々にその詩的な世界と印象的なメロディーラインが評価されるようになり、以後亡くなるまでに16枚のオリジナルアルバムを発表。コーエンは詩の朗読のようにぼそぼそと歌うところが味わい深い。だが、ボブ・ディランが賞賛するように、そのメロディーラインの美しさは別の歌手によってカバーされることで真価が再認識されることも多々あった。

 生前コーエンと親交の深かったプロデューサーのラリー・クライン(グラミー賞4度受賞)が、こうした作品の魅力を引き出そうと、ジャズ、ロック、ソウルなどジャンルを超えた名うてのミュージシャンに呼びかけ全12曲を録音したのが今回のアルバム。

 ピーター・ガブリエルはつぶやくように「ヒア・イット・イズ」を、サラ・マクラクランは、コーエンの代表曲である「ハレルヤ」を、そしてジェームズ・テイラーはカントリー風味の「あなたの胸に」を歌う。どれもギター、サックスが印象的なバックのサウンドに支えられ、ゆったり、そしてしっとりと響く。

(川井龍介)

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