東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で大手出版社KADOKAWA会長の角川歴彦(つぐひこ)容疑者が贈賄容疑で逮捕された。その影響で北野武監督の新作映画「首」がお蔵入りになる可能性が高くなった。
「作品について、たけしはKADOKAWAが映画製作の契約書を結んでくれないと言っていましたが、歴彦会長は『首』の完成を望んでいた。契約書にサインすることを期待していましたが、結局、合意に至らずできませんでした」(事情を知る映画プロデューサー)
8月上旬に『週刊新潮』が「ビートたけし〝最後の映画〟がお蔵入りの異常事態」というタイトルで報じ、たけしは即反応。ニュースサイト「NEWSポストセブン」で、たけしは「また俺と喧嘩(けんか)している週刊誌が馬鹿なことを書いている。『首』は俺の最後の映画ではない」と反論。「今、他の映画の準備をしている真っ最中だ。『首』については撮影当初からKADOKAWAに早く契約を結んでくれとお願いしていたんだけど、編集作業に入ってもまだ契約してくれないので、やむを得ず作業を止めた」と正当性を訴えていた。だが、反論に映画関係者から擁護する声は聞こえてこない。
「たけしはKADOKAWAとの契約トラブルから編集をストップしたと言っていますが、契約書にサインしなかったのはたけしサイドです」
と言うのは、今回の映画関係者。
「契約内容に不満なたけしは、歴彦会長に直談判。歴彦会長を総製作指揮から外すことを本人から了承を得た。にもかかわらず、契約書にサインしなかったのです」
そうした中、歴彦会長が摘発され、東京地検特捜部が家宅捜索で押収した書類にはたけし映画の契約書も入っていると見られている。
「たけし映画は歴彦案件になっていますから、契約書も押収されていれば手の打ちようがありません」(前出の映画プロデューサー)
このままでは、たけしの新作はお蔵入りになりそうだ。
(本多圭)