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2022年7月 3日号
スポーツ 交流戦でセが今年も勝ち越し ヤクルトV「パ高セ低」変化か
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 以前は「人気のセ、実力のパ」と言われたものだが、流れが変わってきたのか。プロ野球のセ・パ交流戦は6月12日に終了し、セ・リーグが55勝53敗でパ・リーグに勝ち越した。2019年までは15回のうちパが負け越したのは1回だけ。20年はコロナ禍で中止だったが、21年はセが49勝48敗11分けで12年ぶりに勝ち越し、日本シリーズもヤクルトがオリックスを破って9年ぶりにセが日本一を奪還している。交流戦もセの2年連続の勝ち越しで、「パ高セ低」が崩れつつある。

 要因はいくつかあるだろう。大きいのはダルビッシュ有、大谷翔平らパの大エースが米大リーグに流出したこと。今年の交流戦の投手成績を見ると、防御率10位までにパ投手は2人しか入っていない。セの打者がパのエース級を打ち崩していることを示しており、確実にセとパの〝格差〟は縮まっている。だが、両者が逆転したとまでは言えまい。昨年も今年も成績は僅差。計108試合中1、2試合がひっくり返っていれば、パの勝ち越しになる差だった。

 セは首位のヤクルトが全カードに勝ち越す「完全優勝」で14勝4敗、勝率7割7分8厘と18試合制になった15年以降で最高勝率をマークした。2位の阪神も12勝6敗の好成績。残り4チームは対照的でDeNAが五分の9勝9敗で、巨人は8勝10敗、中日は7勝11敗、広島は5勝13敗と〝ワースト3〟を占めた。一方、パは3位のロッテ(10勝8敗)〜9位のオリックス(8勝10敗)の間に収まった。

 セはヤクルトと阪神の頑張りが他チームの借金をカバーしたという展開で、これをもって「セ高パ低」は見えてこない。ヤクルトは先発、救援陣の層が厚さが際立った。阪神は先発陣と中心打者に勢いが戻って反攻が期待できる。パは交流戦終了時点で楽天が首位だが、2位のソフトバンクとの1・5ゲーム差は開幕前と変わらず。ともにペナントレースが楽しみになる交流戦だった。

(水木圭)

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