日本人シンガー・ソングライターが4年前にリリースした楽曲が突如、世界のインディーズ曲をランキングする「IndieTop Chart」で1位を獲得し、話題になっている。
その人物の名前は小関ミオ。西野カナらに作詞提供する一方、2013年から2年間渡仏した経験を生かし、日本語、フランス語、英語でサウンドを紡ぐトリリンガル・シンガーだ。
楽曲「Before Monday」は新たな一歩を踏み出す希望を日仏英語で歌ったポップス。今年8月に欧州フランス語圏のアップルミュージックのJポップチャート上位にランクインし、9月にはヨーロッパ公式インディーチャートで1位、10月末ついに世界一まで上り詰めた。小関もSNSで「4年越しで世界一位になったよー!」と歓喜の報告をしている。
きっかけはコロナ禍で思うような歌手活動ができない中、今年5月、東京都葛飾区にある「イシ ジャポン株式会社」のスタッフとして働き始めたことだった。
同社は欧州向けに日本の菓子やアパレルを販売し、日本を紹介するコンテンツを制作・配信するのが主な業務。社長自身がフランス出身の人気ユーチューバー。小関を含むスタッフ全員も出演者となり、多国籍で働く自分たちの日常をリアリティーショーとして発信するYou Tubeチャンネル「Ici Japon Corp.」を配信している。クライアントサービスやWebプロモーションを担当する小関も実名出演する中、「実はシンガーだった」と知れ渡り、フランス語圏での音楽配信サイトのダウンロード数が急増した。
これまで神戸を中心に全国でライブを行うなど地道な活動を続けてきた小関は、今年で作家デビュー11年目。「今までやってきたことは全部間違いじゃなかった」と小関。夢は日本でフレンチポップブームを起こし、日仏の文化の懸け橋になること。海外でのブレークを契機に、日本での認知も高まるか。
(平辻哲也)