牧太郎の青い空白い雲/1024
例年、周囲の若者の何人かがゴールデンウイーク(GW)を利用して、海外旅行を楽しんでいたが......。今年はそんな話はまるで聞かない。昨年は、世話になっている若い作業療法士さんが家族揃(そろ)ってハワイに行ったけど。不景気なんだろう。
「円安で外国なんて行けませんよ。第一、牧さんの時代と違って給料は雀(すずめ)の涙なんだから」と後輩が笑う。若い頃「他の新聞社と比べて、給料が安い!」と愚痴を言っていたが、それでも「45歳で年収1000万円」を超えていた。
「いくら貰(もら)っているの?」と聞こうと思ったが......。止(や)めた。「懐の中身」を詮索するのは苦手だ。「雀の涙」......ということは、A drop in the bucket(バケツの中の一滴)ぐらい安いのだろうか。
で、2024年に発表された厚生労働省の「国民生活基礎調査」を調べてみたら......。国民所得の中央値は1995年の550万円から22年は405万円に下がっている。今年はたぶん「400万円以下」ではないか。日本人が揃って「貧乏」になっている。海外旅行は今や〝夢のまた夢〟なんだろう。
でも、アイツらだけは違う。「懐」を増やしている国会議員様である。「歳費」と呼ばれる「給料」は月額129万4000円。期末手当(ボーナス)は年に約600万円。それだけで年間約2200万円である。
僕から見て民間の「所得ナンバー3」は〈3位・司法書士850万円、2位・公認会計士950万円、1位・医師1039万円〉。
国会議員は〝特別〟である。
他に「調査研究広報滞在費」というのがある。これは、ちょっと前まで「文書通信交通滞在費」と呼ばれた「第2の給料」だ。使途も非公開で領収書もいらない。これが毎月100万円、年に1200万円支給される(法改正で25年8月から使途公開と残金返納が義務づけられたけど)。「第2の給料」であることは変わらない。
このほかに「立法事務費」が年間780万円、「秘書給与」(3人まで)として年間約2500万円。あれやこれやで年間約6000万円以上が議員さんの懐に入る。
「歳費」と「調査研究広報滞在費」だけで約3400万円。国民の所得の中央値405万円と比べると、議員さんはおおよそ「国民の8倍以上の給料」を懐に入れている。
各国の国会議員の年収ランキングを見てみると......。
アメリカ 約2800万円
カナダ 約3200万円
ドイツ 約2700万円
フランス 約1700万円
イギリス 約970万円
韓国 約1700万円......(4月下旬の円換算で計算)。日本は多すぎる。
多くの人が、物価高で苦しんでいるのに......。今年のGWでも、多くの議員が海外旅行を楽しんだようだが......議員給料を半分にする国民運動を始めたい気分だ。
◇まき・たろう
1944年生まれ。毎日新聞に入社後、社会部、政治部を経て『サンデー毎日』編集長に。宇野宗佑首相の女性醜聞やオウム真理教問題を取り上げる。現在、毎日新聞客員編集委員。ブログに「二代目・日本魁新聞社」がある