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2021年12月 5日号
スポーツ 日本史上「最大」の一戦が実現 村田VS.ゴロフキンついに激突
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 日本プロボクシング史上、最大のビッグマッチが実現する。2012年ロンドン五輪ミドル級金メダリストでWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35)=帝拳=が、12月29日にさいたまスーパーアリーナでIBF同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39)=カザフスタン=と王座統一戦を行うことが11月12日、発表された。ゴロフキンは43戦41勝(36KO)1敗1引き分けと豪打の世界的スーパースターで、ファイトマネーも最低15億円といわれる。村田の戦績は18戦16勝(13KO)2敗だが、世界的にも人気があり選手層が厚いミドル級での活躍にファイトマネーも上昇。総額は20億円を軽く超える興行になると見られている。

 この階級のマッチメークの難しさが、そこにある。交渉がまとまりそうになっても、直前で破談となる繰り返しだった。コロナ禍の影響もあってゴロフキンは1年のブランク、村田は防衛戦が5度も決まりながら流れ、2年待ってやっと決まった。ゴロフキンはずっと村田が目標にしていたボクサーで、7年前にはスパーリングで拳を交えたこともある。「ミドル級では最強と言っていい選手。彼の戦績の1敗1分けは、僕の中では勝っていた(と思える)試合。その選手を倒して最強を証明したい」と明言し、モチベーションは高まるばかりだ。

 この対戦実現の裏には、これまでになかった興行システムへの挑戦がある。村田の試合はフジテレビで放映されていたが、この時代に巨額の費用はかけられない。そこでゴロフキンのファイトマネーは契約を結んでいるDAZN、国内での費用は会員制サービス・アマゾンプライムビデオがフォローして独占生中継することになった。勝敗予想は強打と技術に定評があるゴロフキンが圧倒しているが、村田もガードを固めて得意のボディーが決まれば面白い。地上波生中継がない今回、会員になるか迷っているファンも多いはずだ。

(水木圭)

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