「ディス・ブラザー(この男)が特別なのは間違いありません」
7月13日放送の米スポーツ専門局ESPNの番組に登場したコメンテーターのスティーブン・スミス氏が絶賛したのは、大リーグ「ロサンゼルス・エンゼルス」で大活躍する大谷翔平(27)。しかし、スミス氏がその直後に話した内容が大炎上した。
「英語を話せず、通訳が必要な外国選手が(大リーグの)ファンに向けた最大の目玉という事実があるわけです。そのことは、ゲーム(大リーグ)に害を与えることになるんじゃないか。私はそう思います」
スミス氏は猛批判を浴び、ツイッターと同局の番組で「無神経な発言だった」などと謝罪に追い込まれた。
今年前半戦の本塁打は大リーグ首位の33本と絶好調の大谷。今のペースだとシーズン最多本塁打も狙える。オールスター戦では史上初となる投打の〝二刀流〟でプレーした。
今では大谷が試合に出てくるやいなや、「センパイ!」と歓声が上がるほどの人気だ。米国ファンの間では、どういうわけか「先輩」が大谷の敬称になっている。
ロサンゼルス市の郊外に住む筆者も最近、米国人から「日本では大谷と松山のどちらのほうが人気あるの?」とよく聞かれる。4月に男子ゴルフのメジャー大会「マスターズ・トーナメント」で優勝した松山英樹(29)と並び、大谷は「米国人が最もよく知る日本人」になった。スポーツマーケティングの専門家、ボブ・ドーフマン氏はこう話す。
「大谷は〝世界的ブランド〟になれるチャンスが十分あります。そのための鍵は、今所属する弱小チームからワールドシリーズに出られる強いチームに移籍できるか、そしていかに英語で発信できるかです」
やはり大谷にとって最大の弱点は英語のようだ。
(土方細秩子)