日本で亡くなった外国人向けの納骨堂が4月に完成する予定だ。建設しているのは日本海外協会。外国人の生活相談や在日ブラジル人に関する「日本定住資料館」(群馬県大泉町)を運営する一般社団法人だ。
協会によると、日本の墓地は国籍や宗教を理由に外国人の遺骨を受け入れないことがある。また、日本に一人で暮らす外国人が亡くなった時、友人や教会関係者らが祖国に住む遺族に知らせようと尽力しても連絡が取れず、遺骨を預かるケースがあるという。
そこで、協会の林隆春代表理事は私財800万円を投じて在日外国人の遺骨を納める専用の納骨堂「メモリアル・リスタート・コミュニティ」の建設を決めた。
用地は東京都八王子市にある墓地の一角だ。墓地を所有する仏教寺院「徳雲寺」(石川県七尾市)の住職、石毛泰道さん(67)は「日本で命を落とした知人の遺骨を預かり、自宅のたんすにしまっている」という在日ブラジル人の話を聞き、胸を痛めたという。
「民族、人種、宗教、国籍を問わず、200人分の遺骨を納められ、手狭になれば床下に拡張できます。最近は日本で働くベトナム人が増えており、いずれ在日ブラジル人と同じように納骨する場所に困ることになるのではないかと思います。日本経済を下支えしてきた外国人が安らかに眠れる場所にしたい」
背景には、日本に住む外国人が近年大幅に増えていることがある。昨年6月末には288万人を超えている(出入国在留管理庁調べ)。
協会によると、納骨代は4万円。だが、支払いが難しい場合は相談に応じるという。問い合わせは日本海外協会へ(電話0586・48・5413、メールはinfo@nihon-kaigai kyoukai.com)。
(粟野仁雄)