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2021年2月21日号
菅首相 退陣の引き金を引く小池百合子都知事
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 ◇手中に!?首都決戦・都議選の〝連勝〟

 ◇〝ドンと手打ち〟報道の深層

 小池百合子・東京都知事が、夏の都議選に向けて勢いづきそうだ。1月31日の千代田区長選で、小池氏が推す候補が自民党候補を破ったからだ。菅義偉首相が率いる自民党には暗雲が漂う。加えて今年は衆院選。展開によって首都決戦は〝退陣〟の引き金になりかねない。

 千代田区は、実に因縁の深い選挙区だ。

 小池氏は2016年知事選で自民党主導の都政を批判した。その都議会自民党にドンとして君臨した内田茂・元都議は、千代田区選出だった。小池氏は内田氏を「ブラックボックスの象徴」とターゲットにして知事選に勝利。17年都議選でも千代田区に知事与党の「都民ファーストの会」候補を立てた。内田氏は引退を余儀なくされた。

 この経緯を見れば、今回の区長選も小池知事が推す都民フ元都議の樋口高顕氏と、自民党の推薦を受けて内田氏をバックにつけて戦う元区議の早尾恭一氏のガチンコ対決のはず。ところが、小池、内田の両氏が「手打ちした」という情報が選挙前に駆け巡った。

 自民党都連幹部は「確かに内田氏は早尾氏の推薦決定には首を縦に振らなかった」と言う。さらに告示後に「内田さんが区内の団体代表ら数人に電話し、早尾ではなく、樋口支持を頼んだ」(千代田区議)といった話も出回った。

 別の同区議が解説する。

「内田氏は小池氏に恨みはある。だが、夏の都議選で娘婿の千代田区議・直之氏を当選させたがっている。千代田区で都民フの現職都議だった樋口氏が区長になれば、都民フは都議選で千代田区に候補を出さず、直之氏が当選できる。だから『内田氏が樋口氏を応援し、小池氏と手を結んだ』という話が真実味を帯びた」

 だが、内田氏を支援してきた千代田区の財界関係者は「手打ち」を否定した。

「内田氏の一連の行動はあくまでも個人的な理由で、小池氏とは関係がない。早尾氏は千代田区が地盤の故・与謝野馨衆院議員の直系。内田氏は与謝野氏と対立してきたこともあり、早尾氏への推薦を認めたくなかった。周辺にも『娘婿がどうとかじゃない。あいつ(早尾)は区議会の実績も何もない。小池とは話などしていない』と言っていた」

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