「肉親」という足かせから自由になる
愛情を注ぎ、苦労を共有した子供を社会に返す
親はまわりを見回して「同じ」であることに安心を求める。子供は親の顔色をうかがい、「いい子」を演じる。そんな風潮について、作家、下重暁子さんは危惧する。個を確立し、お互いを認めて「心のつながり」を作っていくことこそが大切だと訴えるのだ。
最初にお断りしておきたい。私に子供はいない。正確に言うと私の産んだ子供はいない。出来なかったのではなく、意識的に作らなかったのだ。その理由は長くなるから省くとして、子供がいないから、親になった事がないわけだ。
そんな人が親子のトリセツなどわかるわけはないと言われるかもしれない。そんな事はない。なぜなら、私は、子供だった事はあるからだ。